水戸城「大手門」復元 にぎわい創出目指す

茨城新聞
2017年6月8日

水戸市三の丸に市が復元する水戸城「大手門」の起工式が7日、現地で開かれ、高橋靖市長や地元住民、建設関係者など約70人が工事の安全を祈った。来年は明治改元から150年の節目を迎えることから市の記念事業として整備を進め、2019年9月に完成する予定だ。

大手門は同地区にあったとされる水戸城の正門。これまでの発掘調査や資料に基づき、弘道館東側の大手橋を渡った市立水戸二中と茨城大付属小の敷地にまたがる形で復元する。当時と同じ在来工法で建設する建物は、木造2階建てで、高さ13・3メートル、幅17・2メートル、延べ床面積118・8平方メートルとなる。

市は大手門から南東側に伸びる「土塀」と「二の丸角櫓(すみやぐら)」も整備する計画で、いずれも本年度中には着工する見通し。歴史的な景観整備を進め、駅前の新たな観光拠点としてにぎわい創出を目指していく。

式典では工事の安全を祈り、くわ入れなどの神事が行われた。高橋市長は「単に施設を建設するのではなく、この地域の拠点として整備する。(完成後は)ソフト事業として市民の誇りや教育を導き出せるような仕掛けを展開したい」と話した。

着工に伴い、大手橋から水戸二中までの区間は19年9月9日まで全面通行止めとなる。このため、市は歩行者用の仮設通路を設置している。また、一般車両については復元後も通行止めとなり、門がまたぐ部分の市道は廃道となる。

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