水戸城大手門跡 国内最大級の瓦塀 高さ5メートル規模

茨城新聞
2018年1月16日

水戸城大手門跡(水戸市三の丸)の南側で新たに「瓦塀」2棟が出土し、同市は15日、関係者や報道陣などに公開した。瓦塀は2年前に北側でも2棟が出土し、同市によると、計4棟の瓦塀を備えた城門の発見は国内で初めて。市歴史文化財課は「復元すれば高さ5メートルに及ぶ日本最大級の規模」とする。

瓦塀は瓦と粘土やしっくいを交互に積み上げて造られる。水戸城大手門は西側を正面とし、南北に各2棟の瓦塀が並列して設けられていたことが、これまでの調査で推測されていた。

今回出土した瓦塀は、いずれも高さ2メートル、幅2・4メートル、厚さ1・9メートル。同課によると、復元すれば5メートルほどの高さになる。城門の南北両側に4棟の瓦塀が設けられたケースは、これまでに水戸城以外には見られず、「貴重な発見」(同課)という。

また、「しゃちほこ瓦」の破片も出土。大手門の屋根にしゃちほこが載っていたことも明らかになった。

同課によると、瓦塀の建設時期は江戸時代半ばごろ。1764年の水戸城で起きた火災の復旧に伴い、大量に必要となった瓦の一部を活用し、復興のシンボルとして建設されたとみられる。その後、明治以降に大手門が解体され、周辺の土塁が崩れるなどして土中に埋まった可能性が高い。

明治改元から150年の節目を迎え、市は木造2階建て、高さ13・3メートル、幅17・2メートルの大手門を2019年9月の完成を目指して復元する。また、出土した瓦塀を覆う形で、新たな瓦塀も復元する計画だ。

高橋靖市長は「改めて大手門の壮大さと、次世代に残すという作業の大切さを実感した。地域の特長として、今後の観光の目玉にしたい」と話した。

一般向け現地見学会は16、17両日の午後1時半~同4時。同2時と3時、同課職員が説明会を開く。

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