横山郷土館が本格再開 栃木 2度の休館乗り越え… 歴史企画開始 庭園も鮮やか 

下野新聞
2020年6月11日

 【栃木】入舟町の横山郷土館はこのほど、施設利用を本格的に再開した。昨年の台風19号で床上浸水の被害を受け、復旧のため長期休館。この春、いったん再開したが、新型コロナウイルス感染症の影響で再び休館していた。2度の難局を乗り越えた関係者らは、感染症対策に努めながら、観光客の来場を心待ちにしている。

 同館は巴波(うずま)川沿いにある明治時代の豪商の屋敷跡。店舗兼住居や蔵などの建物は国登録有形文化財になっている。

 昨秋の台風では、巴波川の越水で館内から庭園まで広く浸水。管理者らが日々、モップやブラシで泥をかき出すなど復旧活動は今年3月末まで続いた。

 その結果、館内には新たな畳が敷かれ、庭園は植物が彩りを取り戻した。観光客を迎え入れる準備も整え、4月1日に被災後、初の再開を迎えた。

 しかし新型コロナの感染拡大で、再開1週間で再び休館。そんな中でも観光客らから開館を待つ声や激励が多く届いたといい、管理者の片山幹枝(かたやまみきえ)さんは「すごく励みになった」と感謝する。

 5月19日から休館を解除。入り口付近に氏名記入表と消毒液を設置し、カウンターには飛沫(ひまつ)防止のアクリル板を設置するなど、感染症への対策に取り組みながら、来場者を迎え入れている。

 今月2日からは同館を含む県南5市2町の歴史的な建造物を巡る企画「歴コレ2020」も始まった。管理者の山本友美(やまもとともみ)さんは「6月下旬からはアガパンサスの青い花が庭園を彩る。ぜひ見ていただきたい」と話した。

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