両陛下が結城訪問 ベルギー国王夫妻と 郷土芸能や紬見学
天皇・皇后両陛下は12日、国賓として来日しているベルギーのフィリップ国王夫妻を案内するため、そろって結城市を訪問された。同市国府町の結城市民情報センターで、郷土芸能や本場結城紬(つむぎ)の機織り実演などを見学された。両陛下が国賓を伴って来県するのは、2008年11月にスペイン国王夫妻とともにつくば市を訪問されて以来となる。
両陛下は海外の王族が国賓として来日した際に、歓迎の意を示すため国内を案内するのを恒例としている。今回は結城市がベルギーのメッヘレン市と姉妹都市協定を結んでいる縁もあり、同市訪問が決まった。
両陛下と国王夫妻は臨時専用列車で栃木県小山市のJR小山駅に到着後、車で結城市へ移動。同センター市民広場で橋本昌知事や前場文夫結城市長らの出迎えを受け、歓迎セレモニーでは市立結城中吹奏楽部の演奏と、県指定文化財の「上山川諏訪神社太太神楽(だいだいかぐら)」を楽しまれた。
館内では、本場結城紬の地機織り実演のほか、結城紬の着物や郷土工芸品のきりげた、きりだんすを興味深そうに見学された。
歓迎セレモニーで天皇陛下と国王の説明役を務めた小林仁同市教育長は「お二人とも『神楽はいつ始まったのか』など熱心に質問されていた。演奏後の生徒らにもお声掛けいただき、感激した」と話した。
同センター周辺や沿道には5千人を超える市民らが詰め掛け、日本とベルギーの国旗を振って出迎えた。両陛下と国王夫妻は到着時や出発時に何度も立ち止まって笑顔で手を振り、歓声に応えていた。
旗を手に最前列で見守った同市上山川の江田八重子さん(76)は「午前8時半ごろから座って待っていた。天皇陛下がお元気そうで何よりと思った」と話した。
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