《いばらき御朱印めぐり》日立・御岩神社 雲龍デザイン帳人気 「歴史に目向けて」

茨城新聞
2020年6月7日

御朱印のブームが続く。多数の神社や寺院があり、特色ある御朱印や御朱印帳が数多く存在する。今企画「いばらき御朱印めぐり」は、記者注目の御朱印や御朱印帳を紹介する。初回はパワースポットとしても全国的に名高い、日立市入四間町の「御岩神社」(大塚真史宮司)を訪ねた。

御岩山の麓にある御岩神社。188の神様と仏様を混合して祭る神社だ。創建時は不明というが、「常陸国風土記」に〈浄(きよ)らかな山かびれの高峰(御岩山の古称)に天(あま)つ神(かみ)鎮(しず)まる〉と記され、古くから信仰の聖地であったことが分かる。初夏は新緑が映え、梅雨時季にはコケが繁る。参道を歩くと、目に映る自然に心地よさを感じる。

御岩神社の参道

同神社は、3年前からオリジナル御朱印帳を製作。デザインは宮司や巫女(みこ)がアイデアを出し合い仕上げたという。現在は4種類の御朱印帳がある。(1)かんざしにシャクナゲをあしらった「巫女ピンク」(2)富貴の象徴で、吉祥の文様「七宝」(3)森羅万象をイメージした「日天月天」(4)同神社にある「斉神社回向殿(さいじんじゃえこうでん)」天井画の雲龍図をモチーフとした「龍」の4種類。人気が高いのは「龍」。広報担当の下条美樹さん(25)は「龍神様は水の神様。雨が降るごとく、神仏の教えが広まりますようにと願いが込められている」と説明してくれた。

回向殿の雲龍図は、2006年に開かれた現代アートの祭典「茨城県北芸術祭」で、アーティストの岡村美紀さんが手掛けたものだ。

社務所から歩くこと約15分。途中、清らかな水のせせらぎを感じながら斉神社回向殿へ向かった。

この神社は、神仏混合神社。室町初期に建造された、市指定文化財の阿弥陀如来がひっそりと祭られている。また江戸時代、水戸藩主が祈願所として訪れ水戸藩にも縁が深いという。神前幕には水戸藩の「葵」の紋が描かれる。下条さんは「御朱印や御朱印帳をきっかけに、神社の歴史にも目を向けてもらえるとうれしい」とほほ笑んだ。

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