地域活性化へ初のワイン完成 栃木の太平山南山麓友の会 有志集い活動4年 まつりで試飲、販売

下野新聞
2018年9月3日

 【栃木】NPO法人「太平山南山麓友の会」の有志「ワイン倶楽部」(藤野晴彦(ふじのはるひこ)代表)が管理する畑で収穫した大平産ブドウを使ったオリジナルのワインが、初めて完成した。1日、大平町西山田のかかしの里で開かれた「おおひらぶどうまつり」では、試飲と販売を実施。多くの来場者が新たな地元のワインを味わった。

地元のブドウだけを使ったワインで、地域活性化を図る。同倶楽部は、4年ほど前に活動をスタート。4人がワイン用のブドウの木8種類、約400本を管理している。一定量を確保できたことなどから、今夏に収穫したブドウでのワインづくりに踏み切った。

 今回完成したのは、香りの強さが特徴的なブドウの品種、キャンベルを使用したやや甘口の赤ワイン。地元の晃石(てるいし)山付近で見られる渡り鳥サンコウチョウの鳴き声から「月日星(つきひほし)」と命名、同倶楽部のメンバーがラベルをデザインした。醸造は外部に委託した。

 中心となった三中幸夫(みなかゆきお)さん(66)は「イノシシやカラス避けに柵を作ったり、ネットを張ったり苦労した。やっと形になってうれしい」と笑顔。

 この日、会場内のブースでは、来場者がワインを興味深そうに手に取ったり、「飲みやすい」と試飲を楽しんだりしていた。大平地域でワイン用ブドウの生産、販売を行う「大平ワイン友の会」の松本芳夫(まつもとよしお)代表(60)は「甘すぎず、いろんな料理に合うワインに仕上がっている」と感想を語った。

 「月日星」は720ミリリットル1800円。今秋中には、辛口の白スパークリングワイン「桜峠」も完成予定(価格未定)。

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