祭頭祭前に伝統の神事 響く樫棒、太鼓の音 鹿嶋

茨城新聞
2016年2月15日

来月9日に鹿嶋市宮中の鹿島神宮で開かれる祭頭祭(さいとうさい)に向けて14日、今年当番を担う同市の奈良毛(ならげ)郷は地区内で祭頭囃(ばやし)を披露する廻(まわ)り祭頭を行い、神栖市の萩原郷は同神宮に祭りのシンボルとなる約18メートルの大豊竹(だいほうだけ)を奉納した。

廻り祭頭は奈良毛郷の役員や色鮮やかな衣装姿の囃人(はやしびと)ら約140人が参加した。一行は祭事事務所で出陣式を行い、大総督の鹿嶋市立鹿島小1年、永作陽優(ひゆう)君(7)の「進めー」の号令で出発した。

同郷の鎮守社の雙宮(そうのみや)、祭事委員長宅、市立中野西小などを練り歩き、所々で囃人が太鼓のリズムに合わせ樫棒(かしぼう)を組み鳴らした。同小では児童約90人が見学し、谷田川節男祭事委員長(81)は「小学校での交流は伝統的なものを伝える意味で良かった。当日は皆が協力して実施することが大事になる」と話した。

萩原郷による大豊竹奉納は、にぎやかな囃し唄と太鼓の音とともに行われた。奉納されたのは、鹿嶋市内で昨年5月に選定され、注連縄(しめなわ)をかけて大切に見守られてきたマダケ。神栖市の保立明彦さんが寄進した。一行はトラックで同神宮大鳥居前まで運んだ後、境内を担いで歩き、拝殿前に奉納した。

大豊竹は五穀豊穣(ほうじょう)を祈る同祭の象徴的存在とあって「身の引き締まる思い」と木内政和祭事委員長(57)。「萩原郷は74年ぶりの奉仕役。後世に伝統を引き継いでいくためにも、みんなで団結してしっかり祭りに臨みたい」と語った。

これらの神事は21日、奈良毛郷が大豊竹奉納、萩原郷が廻り祭頭を行う。

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