日立・伊師浜海岸 3月末まで ウミウ捕獲場公開
日立市十王町の伊師浜海岸にある全国唯一の「ウミウ捕獲場」が3月31日まで一般公開されている。2005年から捕獲に支障のない時期(1~3月、7~9月)に実施しているもので、捕獲者がウミウの生態や捕獲方法などを観光客らに説明。1300年の歴史を誇るウ飼いの文化を支える捕獲の技を今に伝えている。
ウ飼いは、岐阜県の長良川や京都府の宇治川など全国12カ所で行われており、捕獲場からは11カ所にウミウを供給している。伊師浜でウミウ捕獲が始まったのは江戸時代からといわれ、現在ではウミウ捕獲技術保持者は根本好勝さん(64)と大高敦弘さん(64)の2人だけとなっている。
捕獲者は、海面から高さ約15メートルの岸壁に建てられた小屋「鳥屋(とや)」の中に隠れ、捕獲用の「かぎ棒」をウの足首にかけて鳥屋内に引きずり込む方法で年間40羽ほど捕獲。鳥屋は大人がかがんで移動できる程度のスペースで、相模原市から見学に訪れた古木名光春さんは「思った以上に狭いですよね。こんな所で捕っていることに驚きました」と感想を述べた。
一般公開は午前9時半から午後2時。入場無料。雨天、強風、高波時には公開中止となる場合もある。根本さんや大高さんがガイド役を務めるほか、鳥屋に続くトンネル、鳥屋、かぎ棒、ウミウを運ぶ籠などが見学できる。問い合わせは日立市観光物産課(電)0294(22)3111。
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