筑波山、食と眺め新たに レストラン、展望台改修 ロープウェイ女体山駅

茨城新聞
2022年9月17日

アフターコロナの観光需要回復を見据え、筑波山でロープウエーなどを運行する筑波観光鉄道(茨城県つくば市)は17日、女体山駅の展望台と付設レストランをリニューアルオープンした。1965年の開業以降、初めてのリニューアルとなる。「自然との調和」をテーマに、展望台は木材や人工芝の素材に変更し、レストランはメニューや内装をカフェ風に刷新した。秋の登山や冬の夜景シーズンに向け、くつろげる空間に改修し、さらなる誘客につなげる狙いだ。

筑波山のロープウエーは1965年8月に開業。女体山駅は、女体山頂下の発着駅として標高840メートルの地点にあり、展望台とレストランがある。筑波山からの夜景は「日本夜景遺産」に認定された名所。晴れていれば、つくば市内の街明かりに、富士山やスカイツリーのシルエットが浮かぶ夜景が、同展望台から見渡せる。

展望台の敷地は278平方メートルで、これまでむき出しだったコンクリートの地面に人工芝を敷き詰め、ウッドデッキを整備した。木製のテーブルや椅子を置き、暖色のライトを設置、利用者がくつろげる空間にした。

レストランは「カフェ シエロ ブルー」と店舗名を変更。全36席で、景色が一望できるカウンター席を設けた。内装は緑色を基調に壁を塗り替え、木材のテーブルに切り替えた。メニューはビーフシチュープレートやハンバーグプレートなどの洋風メニューを追加した。そばやうどんも引き続き楽しめる。

リニューアルした筑波山ロープウェイ女体山駅のレストラン=つくば市筑波

 

今回の改修費は約1500万円。同社の担当者によると、ロープウエーの利用者は新型コロナウイルス感染拡大の影響で2割ほど落ち込んでいるという。空気が澄む冬の夜景シーズンに向けて、改修を通じ来客を促す。

15日、報道向けの内覧会が開かれ、枝村誠常務取締役は「特に夜の雰囲気が良くなったので、夜景を楽しみながらゆっくり滞在してほしい」と話した。

栃木県から夫婦で登山に訪れた新井俊朗さん(65)とまゆみさん(63)は「フットライトが柔らかい光で良い。きれいな場所で休憩できてうれしい。登山の疲れが癒やされる」と話した。

17日はオープニングイベントを開く予定。午後6時と同7時の2回、つくば市出身のジャズシンガー、結城章子さんがライブを披露する。