若手注目株の3人がソロ 来月19日、GTシンフォニック三大コンチェルト《大友直人の音楽カフェ》
高崎芸術劇場と群馬交響楽団がタッグを組む演奏会シリーズ「GTシンフォニック・コンサート・シリーズ」の第3弾「三大コンチェルト」が9月19日、同劇場で開かれます。2020年から同劇場で開催している「大友直人Presents T―Shotシリーズ」で、リサイタルに臨んだ若手注目株の3人をソリストに迎えます。さらに成長したそれぞれの演奏をお聴きいただきたいと思っています。
3人は、ピアニストの尾城杏奈さん(出演21年6月)、バイオリニストの荒井里桜さん(同20年10月)、チェリストの岡本侑也さん(同21年2月)です。
リサイタルでの演奏とオーケストラと共演する協奏曲の演奏にはさまざまな違いがあります。伴奏ピアニストと2人、または自分1人での音楽作りに対し、協奏曲の場合は何十人というオーケストラメンバーと指揮者と一緒に音楽を作ることになるからです。
自分の奏でる音楽と、オーケストラや指揮者と常にアンサンブルをしながら進行する協奏曲の演奏は、柔軟性のある高い演奏能力が必要になります。今回登場する3人は若手とはいえ、既に協奏曲の演奏経験も豊かですので、私とオーケストラとのコミュニケーションもスムーズに進むことでしょう。
尾城さんはチャイコフスキーの大曲に挑戦します。体力的にも大変なエネルギーを必要とする難曲ですが、パワフルかつ繊細な演奏が聴けそうです。荒井さんが演奏するメンデルスゾーンの協奏曲は、彼女の十八番の一曲です。味わい深く清潔感のある荒井さんならではの演奏が聴けることでしょう。岡本さんは年齢が若いにもかかわらず、音楽の掘り下げ方が本当に深いです。エルガーの神髄に触れる名演が期待できます。今から共演が楽しみです。
T―Shotシリーズで既に3人のリサイタルを聴かれた方は、この間の成長や変化を感じていただけるかもしれません。また今回初めてこの若い音楽家たちの演奏をお聴きになる方も、高崎芸術劇場での出会いを機に末永く若い音楽家の応援団になっていただければ幸いです。
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