「被爆ピアノ」生演奏 【平和を考える】11日、日光でコンサート

下野新聞
2022年8月4日

【日光】77年前の8月6日、広島で被爆しながら奇跡的に残った「被爆ピアノ」のコンサートが11日、今市の道の駅「日光街道ニコニコ本陣」で開かれる。今も核の傷跡が残るピアノの音色に耳を傾け、戦争や平和について考えるきっかけにしてもらう目的。

被爆ピアノコンサートは昨年8月に予定していたが、新型コロナウイルスの影響で2月に延期されて実施された。2回目の開催に当たって同道の駅共同代表の直林広高(なおばやしひろたか)さん(57)は「続けることが大切」と話す。

ピアノは1945年8月6日、広島市の爆心地近くで被爆。同市在住の被爆2世でピアノ調律師矢川光則(やがわみつのり)さん(70)が修復した。今もガラスやくぎが刺さった後が残っている。

当日は被爆ピアノにまつわる話や地元少年少女合唱団の歌声のほか、作曲家でピアニストの寺嶋陸也(てらしまりくや)さんが独奏でベートーベンやモーツァルトの名曲を披露する。

直林さんは「日光は早い時期に非核平和都市宣言を行った。その日光で被爆体験を少しでも知り、考えるきっかけにしてもらいたい」と話し、「ピアノをステージ上ではなく、フロアに設置して演奏するので、間近に見てほしい」と来場を呼びかけている。

午後3時開演(開場午後2時半)。定員は先着150人。入場は無料。(問)同道の駅0288・25・7771。