「シャッター街ににぎわいを」 絶メシ掲載の「宮石青果店」が高崎中心街に新店舗
「古き旨(うま)き高崎グルメ」を紹介する群馬県高崎市のグルメ情報サイト「絶メシリスト」に掲載されている老舗の宮石青果店(同市根小屋町)が、市中心街の空き店舗を改装して連雀店(同市連雀町)を開いた。周辺で増えるマンションの住民を主なターゲットにする一方で「シャッター街ににぎわいを」との思いも込めている。
同青果店は1951年創業。2代目の宮石松雄さんが生み出した「新しょうが漬け」は県内外に多くのファンを持つ。本店は市郊外の住宅街にひっそりとあり、リピーターが多い。
連雀町店は新規顧客の開拓も狙いの一つ。通行量が多く、徒歩や自転車で通勤する人も目立つ県道高崎渋川線沿いの中心街に着目した。以前は陶器店だった空き店舗を見つけ、不動産会社を介して所有者と交渉し、賃貸が決まった。
連雀町店によると、空き店舗は47年に建てられ、当時からの物とみられる「樋口陶器本店」の看板も残る。柱なども極力生かし、古風な雰囲気を保ちながら改装した。改装費用の一部に市の補助金を充てた。使っているのは半分ほどのスペースで、残りの部分は別の店が出店予定という。
マンションの住民が徒歩で買い物できることや名物「新しょうが漬け」の存在、品質の高さなどが強みになるとみている。新たに酒類販売も始め、「プチぜいたく」なワインや地ビールを扱う。
連雀町店の責任者、岡田嘉明さんは「宮石青果店の名前を知ってほしい。街がにぎやかになれば」と話した。近くの70代女性は「ずっと何も商売をしていなかったので、何ができるのか気になっていた。八百屋とは驚いた」と話し、商品を手に取っていた。
24日までは社員研修のため臨時休業している。