若冲の美 西陣織で再現 宇都宮 市文化会館、18日まで

下野新聞
2022年7月15日

【宇都宮】江戸時代の天才画家として知られる伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)の絵画を西陣織の技術で再現した「若冲 動植綵絵(さいえ)展」が13日、市文化会館展示室で始まった。18日まで。

織元の「西陣美術織工房」(京都市上京区)など、西陣織の関係者で構成する実行委員会の主催。西陣織が誕生して2017年で550年になったのを記念し、全国で巡回展を開いている。

「動植綵絵」は、京都出身の若冲が残した最高傑作とされる30幅の花鳥画。原寸の4分の1ほどの縦70センチ、横35センチの作品に織り上げた。髪の毛の半分ほどの細さの絹糸を経(たて)糸2700本、緯(よこ)糸1万5千本使い、若冲独特の緻密で豪華絢爛(けんらん)な色彩を再現している。

会場には若冲の作品以外の仏画などを含め、約70点が展示されている。実行委の吉村昌人(よしむらまさと)さん(51)は「これだけの技術を持った職人が京都にはまだいる。ぜひご覧いただきたい」と来場を呼びかけていた。