板倉・谷田川の揚舟 3年ぶりに運航再開 町職員が船頭務める
群馬県板倉町を流れる谷田川を観光用の小舟で周遊し、地域の歴史と水辺の景色を楽しんでもらうイベント「春の揚舟(あげぶね) 谷田川めぐり」について、町は6月4日から、3年ぶりに実施することを明らかにした。週末に1日7便運航する。新型コロナウイルス感染拡大に伴い2年連続で中止していた。この間に船頭経験者が高齢化のため相次いで引退し、担い手が不足しているため、町職員を船頭として育成した上で運航する。
揚舟は同町のようにかつて水害が多かった地域で避難用に備えられていた舟。船頭は観光案内をしながら竹ざお1本で舟を操り、同町岩田の群馬の水郷公園を発着点に約1.5キロを40分ほどで巡る。例年は春の5、6月と秋の9、10月に行っている。
運航を担う船頭などのスタッフはこれまで町内外に募集してきた。しかしこの3年間で高齢の経験者が引退を余儀なくされ、現在のスタッフは70代の2人のみ。安全のため船頭を含めて複数のスタッフを乗船させる必要があり、交代を含めて最低でも1日5~6人が必要という。
そこで、事業継続のため職員を船頭に育成することにした。5月を育成期間に充て、船頭経験者に職員を指導してもらう。栗原実町長は「町を知ってもらおうと長年続いてきた観光行事。職員の力を借りて安全に実施したい」としている。
詳しい料金設定は検討中。一つの舟に観光客6人まで乗船可能。期間中の週末午前9時~午後4時に1時間ごとに運航する。