文化庁「100年フード」 干しいも、栗菓子認定 茨城 ひたちなか・東海・那珂/笠間

茨城新聞
2022年4月25日

■産地発展へPR強化

世代を超えて受け継がれた食文化をたたえる文化庁の「100年フード」に、茨城県から2件が認定された。ひたちなか・東海・那珂ほしいも協議会が普及に取り組む「干しいも」と笠間市の「栗菓子文化」。関係者は「認定を機にPRを強化し、さらなるブランド化を図っていきたい」としている。

笠間市産の栗を使った菓子(同市提供)

 

「100年フード」は、地域の風土や風習の中で育まれ、世代を超えて継承されている食文化を掘り起こそうと、文化庁が2021年度に創設。同年度は全国から212件の応募があり、江戸時代もしくはそれ以前から続く伝統部門に80件、明治・大正期に生まれた近代部門に23件、100年の継承を目指す未来部門に28件を認めた。茨城県の「干しいも」は近代部門で、「栗菓子文化」は未来部門で認定された。

「干しいも」は、水はけの良い土壌やミネラルを含む潮風などの好条件を生かし、主力産地のひたちなか市、東海村、那珂市の生産者による、安全・安心に配慮した取り組みが認められた。2市1村のほしいも協議会事務局を担うひたちなか市農政課は「全国的に認められて光栄に感じている。これからも良質な干しいもを提供し、産地の維持・発展を目指したい」と話す。

笠間市の「栗菓子文化」は、全国トップの栗栽培面積を背景に、栗むきやお裾分けなどの習慣が暮らしに溶け込み、多彩な栗菓子が誘客につながっていることなどが評価された。笠間市農政課は「次の100年に向けてさらなるブランド化を図り、栗生産の安定・拡大に努めていきたい」としている。