《食いこ》コルカリーノ(茨城・牛久市) 珍しい風味のかりんとう

茨城新聞
2022年4月1日

メロンやブルーベリー、赤ワインといった珍しい風味のかりんとうが20種類ほどずらりと並ぶ店内。黄緑や淡い赤、薄紫などのカラフルな色合いが目を引く。甘い黒糖が定番のかりんとうに七味やしょうゆ、みそなどの調味料を加えてアレンジすることで、食べ方や用途を広げた。

茨城県産品を使った「茨城のお土産」シリーズとして、明利酒類(水戸市)の「百年梅酒」や村田農園(鉾田市)の「朝摘みいちご」といったコラボ商品も手掛ける。代表の染谷清賢さん(61)は、「見た目や袋を開けた時に漂う香りでも楽しんでもらいたい」と語る。

県産食材を使ったかりんとう

 

さまざまなお菓子作りの経験から、他の企業の進出や風味のバリエーションが少ないとして、小麦粉が主な原料のかりんとうに着目した染谷さん。「紅茶やコーヒー、お酒にも合う新しいかりんとうを作りたい」と製造方法を学んだのち、2010年に店を立ち上げた。

店舗も兼ねる製造所で作られるかりんとうは、1日100~150キロほど。小麦粉と砂糖、イーストなどを混ぜた生地を食べやすいよう細長く切断し、発酵させた後、米油で揚げ、回転する銅製の釜に入れて満遍なく味付けする。釜一つ分で約5キロ、5千本ほどが出来上がり、ステンレスの上で冷ましながら、出荷に向けて手作業で丁寧に選別していく。

基本的な製法をベースにしつつも、小麦粉の配合やイーストの量を変えるなどして、それぞれの味に合った生地に仕上げるのがこだわり。この微調整が「揚げた後の色や食感に違いを生む」と染谷さん。

企業から依頼を受けてオリジナルフレーバーを作ることもあるが、「茨城のお土産」シリーズのように、染谷さんが企業や生産者に声を掛けて共同開発が始まった商品も多い。「今後は県内のまだコラボしていないみそ蔵や酒蔵などと一緒に作れれば。より多くの人に茨城のおいしいものを知ってもらいたい」と力を込める。

果物や酒類など、多様な食材と掛け合わせた新商品を作り出す染谷さんの元には、製造に関する問い合わせがたびたび寄せられるという。「かりんとうはアレンジ次第で味の幅が広がり、まだまだ可能性がある。地域をPRするような、役立つものが作れたら」と話した。

■お出かけ情報
コルカリーノ
▼牛久市女化町248の1
▼営業時間は平日午前10時~午後5時、土日祝日午前10時~午後4時
▼無休
▼(電)029(896)3535※イオンモール土浦や大洗まいわい市場などでも販売中。