西置繭所に現代アート 4作家が抽象画や書

上毛新聞
2022年1月10日

 歴史的建築物と現代アートとの相乗効果を狙う芸術展示会「『時の記憶』四人展」が7日、群馬県富岡市にある世界文化遺産、富岡製糸場内の「西置繭所」で始まった。どれだけ年月がたっても変わらない人間の営みや、普遍的価値などをテーマに、本県を中心に活動する画家や書道家らが手掛けた意欲作がそろう。16日まで。

 製糸場に魅せられたという4人が参加。画家の上杉一道さん(高崎市)は、詩人の中原中也の詩から着想を得た抽象画を出品。古代の洞窟壁画のようなシンプルな線で人間の本質を表現した。

 書家の真下京子さん(同市)は、製糸場の保存活用に向けて県民が力を合わせるイメージを縦2.2メートル、横3.6メートルの和紙に墨で描いた。芸術家の酒井重良さん(前橋市)はシルクなどの布と段ボールで人がまとうものを表現。書家の住谷夢幻さん(同市)は養蚕をテーマにした作品を出品している。

 午前9時~午後5時。観覧は無料だが、製糸場入場時に見学料がかかる。