二つの五輪、街の変遷知る 茨城・つくば国土地理院 空撮写真や地図紹介

茨城新聞
2021年8月8日

1964年の東京五輪にまつわる空撮写真や地図を紹介する企画展が、茨城県つくば市北郷の国土地理院地図と測量の科学館で開かれている。50~60年代と現在の様子を見比べることで、東京の街の変遷を知ることができる。入場無料。9月26日まで。

企画展「その時東京はどう変わった?」は、時代ごとの街の変化を地理院が撮影記録した写真と地図、説明によってパネル40枚で紹介している。首都高速道路や東海道新幹線の開通、羽田空港の拡張のほか、64年五輪の会場建設の様子も確認できる。

50~70年代の高度経済成長期のうち、62~64年はオリンピック景気と呼ばれ、五輪に向けて交通網や会場の建設が進んだ。

企画展では40年代、60年代と2019年の写真や地図を並べて展示。東京・京橋では首都高の建設、東京湾岸エリアでは埋め立て地が広がる様子が見て取れる。

また、国立競技場や東京体育館、駒沢オリンピック公園など1964年五輪施設の建設前後の移り変わりを知ることができる。東京体育館は徳川宗家の所有地が後に接収され、53年に建設が始まり56年に完成した。国立代々木競技場の建設地には、戦後の連合国軍占領時代に米軍住宅があり、63年からわずか18カ月の工期で、五輪開幕39日前に完成した。米軍住宅跡には選手村も造られ、五輪後は代々木公園になった。

同館は「主な建物や道路の建設前の状況や歴史、前回と今回の東京五輪の違いを見て楽しんでほしい」と話している。

地図を開く 近くのニュース