鬼滅の刃 県内に“聖地” 一面の大フジ、真っ二つの巨石… 原作さながらファン感嘆

下野新聞
2020年11月27日

 全国各地でブームを巻き起こしている人気漫画「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」。公開中のアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は23日までで、国内興行収入が歴代3位となった。そんな中、県内でも“聖地”として注目されるスポットがある。作中で鬼が嫌うとされるフジの花や、真っ二つに割れた巨石…。訪れたファンからは「そっくりだ」と感嘆する声が上がっている。

 同映画は公開から39日間で興行収入259億1千万円、観客動員数1939万人に達したと、配給元の東宝とアニプレックスが24日発表した。

 鬼滅の刃は大正時代が舞台。家族を鬼に殺された少年竈門炭治郎(かまどたんじろう)が、鬼となった妹の禰豆子(ねずこ)を人間に戻すため、「鬼殺(きさつ)隊」に入り仲間と共に鬼と戦う物語だ。

 鬼殺隊に入隊するには、フジの花が咲き誇る「藤襲山(ふじかさねやま)」で「最終選別」という試験に合格する必要がある。その藤襲山さながらの景色が、大フジで有名な「あしかがフラワーパーク」(足利市迫間(はさま)町)で味わえる。

 作中、炭治郎が暗闇に浮かぶフジの花の間を通る姿が描かれているが、同パークで実施している大フジのイルミネーションと似ていると評判だ。埼玉県草加市から家族と訪れた小学5年武田結衣(たけだゆい)さん(11)は作品の大ファン。大フジを見て「最終選別とそっくり。すごく楽しい」と目を輝かせていた。

 新型コロナウイルスの影響で、フジの花が満開だった今春は臨時休園していた同パーク。担当者は「来年には満開のフジを見に来てほしい」と期待していた。

 足利市名草上町にある国の天然記念物「名草の巨石群」の一つで、弁慶(べんけい)が怪力で真っ二つに割ったとされる「弁慶の割石」もじわりと注目されている。炭治郎が修行の末、大岩を真っ二つに斬るシーンと重なるためだ。

 市名草公民館によると、9月ごろから「割れた石のところに行きたい」といった問い合わせが入っているという。担当者は「山と山の間にあるので、イノシシやサルなど動物には注意してほしい」と呼び掛けた。

 「鬼殺隊当主の邸宅と雰囲気が似ている」との声が上がるのは、同市昌平町の史跡足利学校。今年に入ってから月1~2回ほど鬼滅の刃のコスプレーヤーが訪れ、撮影を楽しんでいるという。同学校の担当者は「『行ってみたい』という声があるなど、反響があるのはうれしい」と話している。

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