《釣り》鹿島灘のカツオ、ルアーで次々ヒット 思わぬ大漁に笑顔

茨城新聞
2020年9月26日

茨城近海では今、カツオの豊漁に沸いている。毎年、回遊してくる時期によって多少前後するが、9月の上旬「カツオが釣れ出した」という情報に、息子の知久を伴って鹿島漁港の「第7不動丸」に乗り込み沖に出た。

午前4時半、港には大型のクーラーボックスを抱えた釣り客が続々と集まり、遊漁船に乗り込んでいく。寄せ餌をまく餌釣りが多い中、茨城のカツオ釣りはルアーで狙う。群れ探しから始まるため、船長の技量が大きく釣果に影響する。第7不動丸の小塙吉行船長はルアー釣りの操船が得意で、カツオ狙いのときはいつも頼りにしている。

カツオは視力が極めて良く、偏食が激しい。そのため使用する竿(さお)やライン、ルアーなどが適正でないと全く釣れないときもある。私は早速、船長にここ数日の情報を詳しく聞いた。初めての息子はといえば、船長の言う通りタックルを組んでいる。

午前5時、いよいよ出船、沖に向かうかと思いきや、最初のポイントは鉾田の海岸が見える近場だった。カツオの気配を探りながらゆっくりと進む船。すると突然フルスロットルで走り始めた。船長が群れを発見したようだ。速度を落として惰性で群れに突入。

カツオ船では船が止まるのを待たずルアーを投げる。最初の1匹がヒットすると他の魚も興奮して次々にヒットする。この日、最初にヒットさせたのはカツオ初体験の息子だった。

カツオの猛烈なパワーとスピードに悪戦苦闘する息子を尻目に、私も隣で必死にルアーを投げ込む。誰かがヒットしている時が最大のチャンス。そして私もヒット。他のラインと交錯しないようごりごりとリールを巻く。しかしカツオは口周りが柔らかく針が外れやすい。ドラグはきつ過ぎない設定が肝要だ。

息子はカツオが水面に姿を現すと「うわ、すごい銀色」と感激の面持ち。私はタックルのバランスが悪いのか、ヒットしても針を外され逃げられてしまう。目の良いカツオにルアーを警戒され食いが浅いようだ。

バラシが多いとおびえて逃げる仲間の様子に警戒してカツオの群れの活性が急激に下がる。せっかくの群れを台無しにしてしまうので注意が必要だ。

息子のルアーは大きさ、色ともカツオの好みだったようで次々とアタックしてくる。針の刺さりも十分で逃げられることなく14匹を釣獲。私は恥ずかしながら5匹だった。カツオにルアーを見切る時間を与えないのがこつだ。

この日14匹を釣り上げたオーナーばり社の「投技ジグ50g」、色は「居つきトウゴロ」

しかし二つの大型クーラーのふたが閉まらないほどの大漁。友人宅にお土産を配りながら大子町の自宅に帰った。(奔流倶楽部渓夢・上谷泰久)

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