販路開拓事業が始動 英に笠間焼の魅力発信 作家らSNS用写真撮影

茨城新聞
2020年9月1日

国の支援を受けた笠間焼の海外販路開拓プロジェクトが動きだした。英国を拠点に現地バイヤーらと笠間焼作家による商品開発を柱に進めていく。事業の先陣を切る形で26、27の両日、試作品開発に用いる笠間焼の写真撮影が笠間市内で行われた。コロナ禍で「笠間の陶炎祭(ひまつり)」が中止になる中、関係者や作家は海外展開と産地復興への期待を込めて臨んだ。

プロジェクトは、中小企業庁の「JAPANブランド育成支援事業」に採択。本年度から3カ年計画で進められ、総事業費は約6300万円を見込む。笠間焼のブランディング▽海外販路に向けた商品開発▽安定的な販路確保▽英国を拠点とした販路開拓-などを主眼に、産地発展と輸出体制の確立を目指している。

事業主体となる笠間焼海外販路開拓協議会は今年1月、笠間焼協同組合をはじめ、県や笠間市、ジェトロ茨城など9者で設立。趣旨に賛同する笠間焼作家34人も参加し、伝統工芸品の販路開拓を支援する「ライヴス」(本社東京)が運営を統括する。

協議会長を務める大津廣司・同組合理事長(73)は「本来は英国関係者と相対して仕事を進めるべきだが、コロナ禍なので当面はオンラインを駆使して取り組みたい。陶炎祭は残念ながら中止となったが、手をこまねいてはいられない。本プロジェクトを笠間焼の海外展開の足掛かりとし、産地復興につなげたい」と期待を寄せる。

プロジェクト第1弾の取り組みが、26、27の両日、同市赤坂の大型ショッピングセンターで行われた。英国の要素を取り入れた試作品開発に用いるため、笠間焼作家34人がカップや花器など代表作品を会場に搬入。協議会スタッフが、海外向けに制作するウェブサイトや会員制交流サイト(SNS)などに載せるため、作品と作家本人の写真を撮影した。

笠間焼作家が搬入した作品を撮影する協議会スタッフ=笠間市赤坂

作品を持ち寄った古川欽彌さん(55)、雅子さん(50)夫妻=石岡市=は「販路開拓のきっかけになればとプロジェクトに参加した。違った観点から自分たちの作品を評価してもらえるのは素晴らしい」と前向きに話していた。

協議会によると、9月中に作家と作品を紹介するウェブサイトやSNSなどの開設を目指す。試作品開発を希望する作家には後日、英国の有識者から作風のエッセンスに関してアドバイスが送られ、開発に生かされるという。年末には試作品の試験販売を予定している。