作家の意図、読み解く 完成作品と下絵比較 企画展「名作のつくりかた」 茨城県近代美術館11日から

茨城新聞
2020年7月7日

 芸術家の構想などに着目した企画展「名作のつくりかた」が、11日から水戸市千波町の茨城県近代美術館で開かれる。作家がどんな過程で作品を作ったか、制作の裏側に迫る内容。横山大観「流燈」、菱田春草「落葉」など人気の高い所蔵品を中心に絵画、ブロンズ作品など計65点を展示する。茨城新聞社など後援。9月22日まで。
 
 素材や技法、構図を知ることで、作家がどのように作品を構想し、制作したかを探る。中村彝(つね)らの完成作品とスケッチや下絵を比較するなどし、作家の意図を読み解く。
 
 中村義孝(牛久市在住)や間島秀徳(かすみがうら市在住)らの作品は、作品と合わせて写真や映像で制作方法について詳しく紹介する。
 
 同館担当者は「作家が具体的に何をしようとしたか、描き方や考えを知ることで、作品を身近に感じてもらえたら」と話す。
 
 日本画、水彩画は会期中、作品の入れ替えをする。大観「流燈」は8月16日まで、春草「落葉」は同18日から展示される。
 
 入場料一般730円、満70歳以上360円、高校・大学生490円、小中学生240円。団体割引有り。土曜日は高校生以下無料。 月曜休館。新型コロナウイルス感染予防対策として、出入り口にアルコール消毒液を用意し、入場者にはマスク着用を呼び掛ける。混雑した場合は、来場者200人を目安に入場制限も実施する。
 
 期間中のイベントは事前申し込みが必要。直接来館して申し込むか往復はがき、メールで受け付ける。締め切りは8月21日(必着)。問い合わせは同館(電)029(243)5111。
 
 ■イベント予定
 ◇学芸員による鑑賞講座
 8月29日午後2時から。同館学芸員が「名作のつくりかた」の見どころを解説する。先着70人。無料。
 
 ◇講演会「大観・春草の挑戦-材料から日本画誕生の謎を解く」
 9月5日午後2時から同3時半まで。日本画家で東京芸術大大学院保存修復日本画教授の荒井経氏が、新しい絵の具を採り入れた横山大観、菱田春草の取り組みについて講演する。先着70人。無料。
 
 ◇ワークショップB「石膏(せっこう)でかたどり!」
 9月13日午前10時~正午。石膏の型取りを楽しむ。同館職員が講師を担当する。15人程度。材料費1500円。小学生以下は保護者同伴。
 
 ◇ワークショップA「制作のヒミツに迫る!~石を砕いて描こう~」
 9月19日午前10時~午後3時半。かすみがうら市在住の画家・間島秀徳氏を講師に招き、石を砕いて絵の具にする描き方を体験する。15人程度(小学生以上)。材料費1500円。小学生は保護者同伴。

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