那珂 心を奪う“かんざし”

茨城新聞
2020年3月27日

寺の山門を抜けると、枝いっぱいに花をたたえたシダレザクラの巨木が現れる。ここは、那珂市額田南郷の阿弥陀寺(大山定信住職)。山門のはるか上まで伸び、高さは20メートルを超す。徳川光圀が植樹したといわれ、樹齢は300年以上。今がまさに満開だ。

垂れ下がった枝に小さな花が集まる姿は、さながら“花のかんざし”のよう。心を奪われた参拝者らは時を忘れて巨木を見上げる。「枝ぶりが見事なので、四方どこからでも見応えがある」と同寺。シダレザクラは、江戸から現在まで、人々を魅了し続ける。

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