冬空照らす 日立の灯火 日本夜景遺産 市内一望かみね公園

茨城新聞
2019年12月31日

日立市のかみね公園からの眺めが本年度、「日本夜景遺産」に認定された。県内では筑波山に次いで2カ所目だ。公園を管理する市は「外部からの評価を受け、さらに活用を図りたい」としている。

夕暮れが迫る中、街がきらきらと輝く。

同市宮田町5丁目のかみね公園頂上部。2階建ての展望台からは市内の夜景が一望できる。

阿武隈山系と太平洋に挟まれた細長い市域に密集して立ち並ぶ住宅や学校、工場などに明かりがともり、国道6号を走る自動車のヘッドライトが一筋の光となって流れる。

「めっちゃ、きれい」

ベンチに座った高校生カップルが目を細めた。

この季節は冷たい風が吹き寄せる日が少なくないが、ゆったりと過ごせる憩いの場所として市民には人気が高い。

「澄んだ空気が美しい夜景を描いてくれます」

小川春樹市長は自身のフェイスブックで認定を喜び、「冬の夜景を、ぜひお楽しみください」とつづっている。

日本夜景遺産は一般社団法人「夜景観光コンベンション・ビューロー」(埼玉県)が認定する。全国各地にある夜景スポットを国内外に発信し、観光客誘致や地域経済の活性化を図るのが狙いだ。

2004年度以降、全国からのノミネートを踏まえ、「特有の芸術的価値を抱く」「土地柄が現れている」「鑑賞環境が整備されている」など8項目を基準に、夜景マイスターの投票などで選定している。

本年度は約100カ所の候補の中から8カ所が選ばれ、認定夜景は計241カ所になった。同法人によると、かみね公園は同法人スタッフが全国を歩く中で候補に浮上したという。

かみね公園の展望台は初日の出を見るスポットとしても名高い。近くには同市出身の国民栄誉賞作曲家、吉田正さん(1921~98年)の功績をたたえる吉田正音楽記念館も立地する。

市かみね公園管理事務所の飯塚優所長は「これまでも公園からの夜景は市内の見どころの一つとして紹介してきた。さらに環境整備やPRに努めたい」と意気込む。

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