鹿沼産いちごワイン 誕生 宇賀神緑販が開発 地元材料で自社醸造 「芳醇な香り」好評

下野新聞
2019年9月5日

 【鹿沼】自社ブランドワイン「かぬま里山わいん」を展開する宇賀神緑販(下奈良部町)が初めて手掛けた「いちごワイン」が完成、3日、同所のワイナリーで完成披露会が開かれた。「いちご市」を掲げる市関係者が待ち望んだ地産のイチゴ、地元の醸造施設での「メイドイン鹿沼のいちごワイン」とあって、市や商工関係者が大勢出席。試飲会では「甘く芳醇(ほうじゅん)な香り」「風味がある」といった感想が聞かれた。

「いちごワイン」は500ミリリットルのボトルで定価1100円(税別)、「やや甘口」の分類に入り、アルコール分は10%。2217本が造られ、同ワイナリーなどで販売が始まった。

完成披露会では冒頭、佐藤信(さとうしん)市長が「まさにメイドイン鹿沼のワイン。多くの人に飲まれ、市のPRとなることも期待したい」とあいさつした。

同社の宇賀神喜一(うがじんきいち)会長(69)は「いちご市、いちご王国栃木の皆さんの期待に応えられるよう心密かに願っている。コンセプトは『かわいい』で若者、女性向け」と話した。ラベルは公募し、143点の中から選んだという。

イチゴは農業生産法人かぬまの「とちひめ」と近くの農家6軒から「とちおとめ」を約1300キロ購入、6月4日に醸造を開始した。試飲した鹿沼商工会議所の木村剛考(きむらよしたか)会頭は「イチゴの甘い香りがするが、飲むとしっかりワインの味がする」、ワイン通を自任する佐藤市長は「飲みやすい。ボトルデザインもいい」と評した。

同社は昨年、これまでの委託醸造から自社醸造に切り替え醸造施設「かぬま里山ワイナリー」を本社近くに完備。県内11番目のワイン醸造場免許を取得した。製造に当たり鹿沼農林商工連携・6次産業化推進協議会が発酵用タンク購入費の一部として100万円を支援している。

(問)宇賀神緑販0289・75・3266。