《キラメシ》割烹かわら屋(富岡市富岡) 天然アユのうま味
上毛新聞
2019年8月26日
かぶりつくと、魚のうま味が口の中に広がる。臭みなどが感じられないのは天然物だからこそだろう。「鮎(あゆ)の塩焼き定食」は、店の看板メニューとして定着してきた。
アユは全て、店主の坂本悟さん(44)が富山県の神通川などで釣り上げてくる。氷水でしめ、その後冷凍したものを店内で焼き上げる。「養殖物とは肉の甘味が全然違う」。うま味はお盆を過ぎたころ最も強くなる。
「川魚は、川によってうまい、まずいがある」。多忙な仕事の合間を縫って同県まで出掛けるのは、「お客さんに本物の味を知ってほしいから」。そんな心配りは定食に付ける漬物を手作りする点などにも表れている。
店名は、先祖が世界文化遺産となった富岡製糸場の瓦屋根をふく職人だったことに由来する。高校を卒業後、東京でのフランス料理の修業を経て、父の豊さん(66)から店を継いだ坂本さんは「採算とかは関係ない。本当においしい料理を食べてほしい」と話す。
【メモ】
▽11時半~14時、18時ごろ~応相談
▽不定休
▽☎0274-62-2359