新天皇即位 山車を引き回し祝福 5月1日、鹿島神宮門前2町で

茨城新聞
2019年4月30日

新天皇の即位と改元を祝し、鹿島神宮(鹿嶋市宮中)門前町の角内、仲町の両区が5月1日、山車の引き回しを行う。にぎやかな祭りばやしを奏でながら町内を練り歩き、祝福ムードを演出する。山車の引き回しは通常、同神宮で最も重要な祭典とされる9月の例祭や神幸祭のある秋の祭典時のみ。両区の関係者は「めったにない機会。みんなでお祝いしたい」と、準備を進めている。

山車は本来、同神宮の祭神、武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)が出御(しゅつぎょ)する秋の祭典に合わせ、同神宮門前の宮中5カ町(大町、仲町、角内、桜町、新町)が、お迎えするために引き回される。

角内地区では今年に入り、30~40代を中心に「山車を出して新天皇の即位を祝いしたい」との声が上がり、すぐに意見がまとまった。同区の井関泰夫区長(66)は「山車を出すのは大変だが、あっという間に決まった」と区の団結力を誇る。仲町区も声を上げたのは若い世代の「若連」たち。一気に機運が盛り上がり、早々に巡行が決定した。同区若連小惣代古参の青柳有基さん(38)は「区が活気づく良いきっかけになる」と意義を強調する。

同神宮の祭神、武甕槌大神の大人形が乗る角内区の山車は、午後1時から隊列を組み集会所を出立。山車の引き手のほか、婦人会や老人会も含めた区の住民が同神宮に向かい、本殿で参拝する。その後、新天皇の即位を祝い同8時半まで同区内を練り歩く。

仲町区の山車には、皇室の祖先とされる天照皇大神(あまてらすすめらおおかみ)の大人形が乗る。午前10時から改元を記念し、同所の仲町通りを中心に祭りばやしを奏でる。午後からは、同区内をくまなく回り、新天皇の即位を祝う。

当日は同神宮で、毎年恒例の流鏑馬(やぶさめ)神事と、五穀豊穣(ほうじょう)を祈念する御田植祭(おたうえさい)が実施され、門前町は多くの人出でにぎわうことが予想される。井関区長は「最初で最後の機会かもしれない。区全体でお祝いを申し上げる」と意気込む。仲町区若連頭古参の高安工さん(44)は「みんなで楽しく祝うので、神宮を訪れる皆さんに見てもらいたい」と呼び掛けている。

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