《旬もの》渋谷トマト園(つくばみらい市) 真っ赤な取れたてを直売

茨城新聞
2019年3月17日

つくばみらい市の渋谷トマト園。大玉を中心としたトマトを減農薬有機質肥料でハウス栽培する。真っ赤に熟した取れたてのトマトは、同園が運営する守谷市の直売所だけで販売、人気を集める。

ハウスでは、フルーツトマトやミニトマトも栽培するが、主力は大玉だ。「食味の良いトマトの品種を選んで栽培している」と同園の渋谷透さん(39)。栽培する大玉の品種の一つが「サンロード」で、「昔からある品種。育てにくいが食味の良さを重視した」と選んだ。

透さんは大学卒業後、会社勤めをしてから就農し、約16年になる。「ゆくゆくは跡を継ごうと思っていたが、大学も農業とは関係なく、初めはは全然分からなかった」

「トマトのおいしさは甘味と酸味のバランスの良さ」と水やりや施肥、湿度・温度の管理などに気を配る。収穫は10~6月で、最盛期は3~5月。「ちょうど今ごろから暖かくなってくると、日差しも強くなり、味ものってくる」

夏場は土作りに励む。6月に収穫が終わると、苗を植える前に土壌を太陽熱を利用して消毒する。「太陽熱で病原菌の繁殖を抑える。微生物資材を入れ、土の中に良い菌を増やし悪い菌を増やさないようにしている」。化成肥料は使わず、有機質肥料を施す。「納豆菌が灰色かび病に効くということで納豆を散布することもある」と極力農薬などの使用は控える。「直売には小さな子どものいる家族連れも多く、さらに安心安全を気遣うようになった」

丹精して育てたトマトは、市場や店には出荷せず、守谷市の県道46号線沿いにある直売所で売り切る。父の均さんが直売所を始めて約20年。早いときには昼すぎには売り切れてしまうこともあり、県外からもやって来るという。

直売所は週4日営業。透さんはその日の朝収穫作業を終えた後、直売所に立つ。丸テーブルに収穫したばかりのつややかな赤いトマトがぎっしりと並べられる。「好きな大きさや個数を選んでもらう量り売り」で販売する。「直売はお客さんとの距離が近い。じかに反応を知ることができ、やりがいがある。おいしいトマトを作らないといけない」と気を引き締める。

■メモ
渋谷トマト園
▽直売所は守谷市松並1657の11
▽営業は火曜・水曜・土曜・日曜、午前11時~売り切れ次第終了。7~9月は休業
▽(電)0297(58)2377

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