北茨城御船祭 祭事船、お色直し中 来年5月本番向け

茨城新聞
2018年12月26日

北茨城市大津町に伝わる「常陸大津の御船祭(おふねまつり)」で使用する祭事船のお色直しが、船を保管する同市関南町の市漁業歴史資料館「よう・そろー」で行われている。神船を飾る大漁祈願の船絵を描く作業で、来年5月の本番に向けて、1月中旬には新しい絵が完成する予定だ。

御船祭は全国でも珍しい船の陸上渡御で、5年に1度の大祭を来年5月に予定。現在の祭事船は2007年1月に完成し、昨年の国の重要無形民俗文化財の指定を受けた特別開催を含めて計3回使用している。船は全長約15メートル、幅約3・5メートル。作業はで続けられる。

手掛けるのは地元のデザインアート「ACE COLOR(エース・カラー)」の小川拓哉さん(32)で、車体への絵や壁画などを手掛けてきた。この日は清掃作業を終えた船胴に描かれていた魚などの絵を白色の塗料で消す「消し込み作業」から始まった。今後は白いベースに、エアーブラシで地元の漁港で水揚げされるタイやスズキ、アンコウなどを描いて行く予定という。

小川さんは「大きな魚、小さな魚の強弱を付けて迫力を出したい。平面に見えないように立体的に描くことを心掛けたい」と話し、「これまでは地元の祭りの力になれないと思っていたが、こういう形で協力できてうれしい。皆さんに喜んでもらえる絵に仕上げたい」と意気込む。

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