《食いこ》カフェ・ギャラリー梟(つくば市) 築200年の土蔵でゆったり

茨城新聞
2018年11月11日

宝篋山(ほうきょうざん)の麓に広がるつくば市小田。国指定史跡「小田城跡」辺りは、歴史ひろば案内所や道しるべが整備され、中世の城跡を巡る散策が楽しめるようになっている。筑波山、宝篋山を眺めながら周辺を歩くと、白い壁の蔵が目を引く「カフェ・ギャラリー梟(ふくろう)」があった。江戸時代後半に建てられたという土蔵を利用し、飯塚潤一さん(78)、睦子さん(79)夫妻が開く。フクロウの置物や和だんす、季節の花々が飾られた蔵の中で、情緒あふれるティータイムを過ごせる。

東日本大震災で、蔵の壁が落ちる被害を受け、修理をすることに。中には土浦藩との関わりを示す古文書や漆器類などがしまわれていたという。修理を終えたころ写真展の会場に貸し出すと、思いのほか大勢の人が集まり、「お茶が飲める場所にしたら」と勧められた。潤一さんは「200年近い蔵を壊すのはもったいないし、先祖に申し訳ない。喫茶店の経験もないが、みんなが集まる場所にしたいと考えた」と話す。2階への階段を取り付け、キッチンやトイレを作るなど一部を改装。2013年にカフェ・ギャラリーをオープンした。時折、写真展や絵画展などを開く。

「モダンな感じを意識した」(睦子さん)という1階は、ガラスのテーブルが置かれ、明るい雰囲気を醸す。打って変わって、2階は落ち着いた雰囲気。屋根裏部屋のように手を伸ばせば触れられそうなほど天井が低く、照明は少し暗め。木の椅子とテーブルで、コーヒーや紅茶で一服しながら、ゆったりとした時間に浸れる。「隠れ家のようでしょ」と睦子さん。

喫茶が中心で、コーヒーや紅茶、ハーブティーなどがそろう。ブレンドコーヒーとセットになる本日のケーキは、評判のいいチーズケーキを出すことが多い。寒さが厳しくなると、睦子さん手製のお汁粉がメニューに加わる。食事は予約制。

最近は宝篋山登山客の立ち寄りも増えたという。「居心地がよい、ほっとすると喜んでいただけたら、それに越したことはありません」と睦子さんが笑顔を見せた。

■お出かけ情報
カフェ・ギャラリー梟
▽住所はつくば市小田3066
▽営業時間は午前10時~午 後4時半
▽定休は月曜・金曜(祝日 の場合は翌日)
▽(電)029(867)3287

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