県陶芸美術館 笠間・益子の作家が器 普段使い、食器や花瓶
笠間と益子の若手作家による普段使いの器を紹介する企画展「欲しいがみつかるうつわ展 笠間と益子」が22日、笠間市笠間の県陶芸美術館で始まった。食器や花瓶など作家62人の作品が一堂に並び、生活雑器の「今」を切り取っている。同館は「ファッション雑誌を見るように目で楽しんでほしい。使いたいものを探しに来て」と来場を呼び掛けている。
笠間と益子は、他の産地に比べて特定のスタイルがなく、個人作家の自由な作陶活動を後押ししてきた。これまで美術作品と区別されてきた生活工芸を美術館で展示するのは珍しい。展示作品は全て撮影だけでなく、会員制交流サイト(SNS)への投稿も可能だ。同館も作家の作品や制作風景をSNSで定期的に発信していく。
各作家の特徴が分かる作品約250件を、作風ごとに四つのコーナーに分けて展示する。現代の生活に合わせたデザインの作品がそろう「クール&モダン」のコーナーや、「ティー&カフェ」では機能性とデザイン性のバランスに優れた急須やティーポットも見どころ。「シック&トラッド」「ポップ&キュート」のコーナーもあり、さまざまな素材や技法を用いて個性豊かに表現されている。全国の売れっ子作家7人の作品もそろう。
オープニングセレモニーが21日開かれ、出品作家や陶芸大学校の生徒らも参加して開幕を祝った。金子賢治館長は「個性的で美しい生活雑器もアートであり、陶芸文化の一つ」と企画の狙いを説明した。
会期は12月9日まで。月曜(9月24日、10月8日、11月5日を除く)、9月25日、10月9日休館。9月29日午後1時半から、「暮らしのうつわの変遷とこれから」と題した講演会を開く。会期中は、出品作家のカップで「さしま茶」を楽しむセミナーや、出品作家によるギャラリートークも行う。
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