《食いこ》森のシェーブル館(水戸市) ヤギ乳チーズの時季到来

茨城新聞
2018年6月10日

手作りチーズ工房「森のシェーブル館」は里山の自然が広がる水戸市森林公園内にある。1991年に開館し、ヤギ乳や牛乳を原料にチーズを製造販売してきた。国内のチーズコンテストで入賞するなど高い評価を得ている。6月からヤギ乳チーズの販売が季節限定で始まった。シェーブルはヤギ乳チーズの総称。

92年からチーズ作りに携わる同市農業公社乳製品係技師の小川真二さん(46)は「おいしく作るのはもちろん、温度や湿度で状態は変わる。一定の品質で作れるよう心掛けている」と神経を使って作業する。「ナチュラルチーズは生きている。種類によっては、熟成が進むと、こくが出て風味が増す。作り方やかびにより多彩な味わいが楽しめる」とその魅力を語る。

同館は10種類を超えるチーズなどの乳製品を作る。原料が県産牛乳のチーズは、白カビを使い熟成させる「カマンベール」、ひょうたん型の「カチョカヴァロ」、裂けるタイプの「ストリング」など。フレッシュタイプの「フロマージュ・フレ」は爽やかな風味。

長野県産ヤギ乳のチーズは「シェーブル」と「サントモール」の2種類。ヤギ乳が取れる春から秋ごろにしか製造できない。開館当時は珍しかったヤギ乳チーズも魅力を理解する人が増え、次第に定着してきたという。館名を冠したシェーブルはカマンベールタイプ。表面が木炭で覆われるサントモールは、中央酪農会議主催の「ALL JAPAN ナチュラルチーズコンテスト」で2001年に優秀賞、15年にその上の金賞に輝いた。今年はサントモールを6月1日から、シェーブルを6月下旬から販売する。どちらも11月ごろまでの販売を予定。

山小屋風の同館は1階がチーズ製造の工房。2階は乳製品や軽食が楽しめる売店になっている。添加物を入れずに作るソフトクリームは「自然な味わいで、こくはあるが後味はすっきり」。春から秋にかけては牛乳ベースにヤギ乳を加えた季節限定のソフトクリームが味わえる。チーズ工房ならではの一品がホエードリンクで、乳が凝固し固形物から分離したホエー(乳清)を飲みやすくした。チーズを作ったときにだけ登場する。

■お出かけ情報
森のシェーブル館
▼住所は水戸市全隈町1454水戸市森林公園内
▼営業時間は午前9時~午後4時半
▼定休は月曜(祝日の場合は翌日)
▼(電)029(255)1482

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