《食いこ》菓子工房理香(日立市) 素材厳選、おいしさ追求

茨城新聞
2018年5月13日

日立市の住宅地にある「菓子工房理香」。濃厚な味わいのチーズケーキやシフォンケーキ、焼き菓子などが並ぶ。売り場はそんなに広くない。オーナーシェフの志田理香さん(52)は13年前、小さな工房を建て店を開いた。1人で始めたが、厳選した素材を使い丁寧に作った菓子が評判を呼び、現在は自宅の一角に店を移し、志田さんのほか7人が携わるまでになった。
「お菓子を食べると幸せな気持ちになれる」。志田さんの原点は10歳の時、知り合いの主婦が作ったパウンドケーキの味。「震えるほどの感動」を今も覚えている。
開店した時は子育て中の主婦だったが、「人生最後の仕事にできれば」と食べた人を笑顔にできる菓子作りの道へ。独学で始め、店を開いてから「お客さんに喜んでもらえるように、もっとお菓子や装飾のことを知りたい」と暇を見つけては東京での講習会に出掛ける。来日した海外のパティシエからも学び、刺激を受けるという。

北海道産小麦粉、「奥久慈卵」、発酵バターなど素材を選びおいしさを追求。看板商品の「濃厚なチーズケーキ」は「フランス産クリームチーズと卵をふんだんに使い、作り方にこだわった」。味わいは「ベイクドタイプとレアの中間に近い」。
春はオレンジ、夏は福島県産の桃、秋は笠間市産の栗など季節の果物を使ったケーキも人気だ。12周年記念で考案した秋冬のケーキ「ヴェリテガトー」はメープルシュガーやリンゴを使い、食感や味の違う3層を楽しめる意欲作。
国産米粉100%で作るシフォンケーキは「膨張剤を使わず卵の力で膨らませているため、しっとりしている」。常時3、4種類が並ぶ。県花バラの花をかたどったフィナンシェをはじめ、クッキーやサブレなど焼き菓子もそろう。
糖尿病の人が食べられるケーキを頼まれたことがきっかけで、おからパウダーを使ったチーズケーキなど「低糖質のスイーツ」も手掛けるようになった。

「おいしかった」「感動の味」と客から喜びの声が届く。「作り手として何よりの力になる」。この仕事を選んでよかったと思える瞬間だ。

■お出かけ情報
菓子工房理香
▼住所は日立市田尻町7の17の16
▼営業時間は午前10時~午後6時半(売り切れ次第終了)
▼定休は日曜、月曜
▼(電)0294(43)3029

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