炎囲み、踊り勇壮に 桜川 雨引観音でマダラ鬼神祭

茨城新聞
2018年4月10日

雨引観音の名で親しまれている、桜川市大木の雨引山楽法寺(川田興聖住職)で8日、伝統のマダラ鬼神祭が行われた。白馬に乗ったマダラ鬼神が堂々と145段の石段を駆け上り、参拝客らを魅了した。

1472年に寺が戦乱に巻き込まれて炎上した際、マダラ鬼神が現れ、大勢の鬼を使い、7日間で本堂を再建した伝説にちなみ、鬼神に感謝をささげる祭り。京都・太秦にある広隆寺の魔多羅祭と並ぶ日本二大鬼祭の一つといわる。

午前11時、マダラ鬼神の白馬を先頭に行列が黒門を抜け、石段を上がった。愛らしい稚児やかみしも姿の寺侍も続いた。マダラ鬼神は本堂前でたかれた護摩を囲み、鬼踊りを披露。さらに本堂から49本の矢を放った。矢を拾うと、家内安全などの御利益があるとされ、参拝客は手を伸ばし歓声を上げていた。

同市の坪井尚也さん(29)は長男の秀真君(2)と訪れた。破魔矢を手にし、「地元なので来れるときは来ているが、矢を取れたのは初めて。この子が無事に成長してくれたら」とほほ笑んだ。 

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