《食いこ》茶房 かやの木(守谷市) 古民家で憩う、そばカフェ

茨城新聞
2017年8月20日

歴史を感じさせる表門と黒い塀。中は広い庭の奥に風格ある古民家が立ち、どこか懐かしい光景が広がる。家の隣に店名の由来になった樹齢400年という大木、カヤの木が寄り添う。古民家を生かした守谷市の「茶房 かやの木」は手打ちそばやあんみつ、コーヒーなどがゆったり楽しめる「そばカフェ」。

店主の小菅裕作さん(41)の父が2000年ごろ、空き家になっていた実家をコンサートの場やギャラリーなどに開放するようになり、かまどのあった土間を喫茶スペースに改装し店を開いたという。現在は裕作さん夫婦が営む。

明治時代の建築とされる門は同市指定文化財。蔵も立つ広々とした敷地内。築約150年という母屋の古民家は「あまり改造していない」ため、長い歳月を経た黒光りする太い柱などそこここに深い味わいがある。土間にはグランドピアノやドラム。「音楽好きがジャズセッションをしたり、年に数回はプロのライブを開いたりする」。蔵をギャラリーに活用するなど催しの場にもなっている。

「(亡くなった)父は都内でレストランを経営していた。食べ物屋の子どもだから変なものは出したくない」と食材に気を使う。5歳と1歳の子どもの父親になり、その思いがより強くなった。子ども連れの客も訪れるという。

人気は県内産常陸秋そばを使った手打ちそば。天ぷらの野菜は今ならトウモロコシやナス、ゴーヤーなど。近所から届く旬の野菜が中心。

お薦めは「あんみつ」。寒天はほぼ毎日、西伊豆産のテングサを2時間煮出して作る。あんみつに「缶詰の果物は使わない」ときっぱり。夏はブルーベリーやスイカなど、地元産を中心に生の果物を使う。

「茶房だから」とコーヒーに力を入れる。専門店に頼むオリジナルブレンドは「酸味と苦みが軽くまろやかな風味」。手作りの「ケーキセット」は3種類を盛り合わせる。

暑さはエアコンいらずでしのぐ。古い家に残るすだれをはめ込んだ伝統的な建具の簾戸(すど)で涼感を出す。吹き抜ける風が涼を運んでくれる。

■お出かけ情報
茶房 かやの木
▼住所は守谷市高野1440
▼営業時間は午前11時~午後7時(同7時以降は要予約)
▼定休は火曜
▼(電)0297(48)0307

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