ザスパホーム1勝 J2

上毛新聞
2017年5月19日

サッカーの明治安田J2第14節で、ザスパクサツ群馬は17日、前橋市の正田醤油スタジアム群馬で山口を2―1で破り、ホーム戦初勝利を挙げた。順位は最下位のままだが、通算2勝1分け11敗で勝ち点7となった。次節は21日午後2時から、アウェーで讃岐と対戦する。
ザスパは前半アディショナルタイムにFW高井和馬がゴール前のこぼれ球を押し込み先制。後半13分にはMF高橋駿太の左からのクロスにFW姜修一(カンスイル)がヘディングを合わせてJ初ゴールを決めた。
その1分後に1点を返されると守勢に回ったが、センターバックの崔俊基(チェジュンギ)をはじめDF陣がしぶとく守り、途中交代で入ったMF松下裕樹らベテランがチームを落ち着かせながら、最少失点で逃げ切った。
森下仁志監督は「たくさんのサポーターが素晴らしい雰囲気をつくってくれた。“戦え”のコールが身に染みた」と感謝し、「攻撃でも守備でも、よくプレッシャーを掛けてくれた」と選手をねぎらった。

▽第14節①正田醤油スタジアム群馬

ザスパ2勝1分け11敗(7) 2 (1-0|1-1) 1 山口2勝4分け8敗(10)

▽得点者【ザ】高井(5)姜修一(1)【ロ】小野瀬(3) ▽観衆1617人

ザスパは前半からサイドを起点に好機をつくってゴールに迫ると、アディショナルタイムにペナルティーエリア内でDFにはじかれたボールにFW高井が詰めて先制。相手が前掛かりになった後半13分には、MF高橋が左から上げたクロスにFW姜が頭で合わせて2点目を奪った。
直後に1点返されると守備の時間が増えたが、辛抱強く守って2勝目をものにした。

◎戻ったアグレッシブ
12戦かかった初勝利より、ふがいない前節が良薬になったか。森下仁志監督から「覚悟を決めて仕掛け続けろ」とむちが入った選手たちは、ひたすらボールを追って前に出た。取り戻した「アグレッシブ」で、残留に望みをつなぐ大きな1勝を手にした。
積極さを象徴したのが初めて3バックの中央に入った崔俊基。1点は失ったが果敢な飛び出しも、正確なボール供給も出色で、最終ラインに安定感を出した。
その崔俊基が「しっかりと前から追ってくれた」と振り返った前線も見違えた。3戦ぶりに先発したFW岡田翔平が率先して走り、前節は待つことが多かったFW姜修一もこれでもか、とこぼれ球に食らい付いた。
すると見事に連動したゴールが生まれた。最終ラインから右サイドへのフィードを中盤が前へ運び、岡田が切り込んでラストパス。こぼれ球に詰めたFW高井和馬が冷静にゴールの右へ流し込んだ。
後半のゴールも前と後ろの連動あってこそ。GK清水慶記からのロングボールをやはりサイドで受けた高橋がクロス。前半の1点でマークが緩んだ姜修一は「あそこしかなかった」と自賛した技ありのヘッドで2点目を奪った。
浮かれたところを狙われた失点は反省材料だし、まだまだ決定力不足とぼやく監督だが「ようやく1歩が踏み出せた」とも。リーグは14節で3分の1が終了。まだまだこれから、と言ったら少し楽観的だろうか。
(椛沢基史)

 

【写真(上)】ホーム初勝利を果たし、サポーターと喜びを分かち合うザスパイレブン=正田醤油スタジアム群馬

【写真】ザスパクサツ群馬―レノファ山口 後半13分、J初ゴールを決めたザスパFW姜修一(右)に駆け寄り、喜び合うザスパイレブン=正田醤油スタジアム群馬

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