《釣り》次世代へつなぐ マダイ稚魚放流 茨城・日立の久慈漁港沖 日本釣振興会支部 5000匹超、資源安定化へ

茨城新聞
2024年8月11日

茨城県で最も人気のある沖釣りの釣り物といえばマダイ。今回は7月24日、同県日立市久慈町の久慈漁港沖で行われた「真鯛の稚魚放流活動」(日本釣振興会茨城支部主催)と、その後の清掃活動に参加してきたので、その模様を報告したい。

マダイは一つテンヤをはじめとする餌釣りやタイラバ、タイジグなどルアーで狙える高級魚。姿を見れば、釣りをやらない人でも知っているおいしい魚である。特に日立久慈地区では一年を通して釣りを楽しむことができる人気の釣り物となっている。

昨年に続き2回目で、当日は同漁港の各船宿、大貫丸、釣友丸、日正丸、豊丸の協力の下、当店スタッフ4人をはじめ約20人が参加した。

日本釣振興会の担当者の話によると、マダイの成長過程から最低でも3年は継続して放流しないと資源として数の安定化は図れないということなので、来年も予定されているという。

放流するのはおおむね約5センチ前後にまで成長したマダイの稚魚。2回目の今回は5千匹余りを、沖堤の北側の角付近、水深8メートルに放流する。稚魚にとって身を隠すことができる浅瀬の岩礁帯は放流場所として最適ではないだろうか。

放流に協力してくれた釣り船の船長たち=日立市久慈町

現場に到着すると参加者たちはめいめい、バケツを手に船のいけすから稚魚を小分けにし、船べりから次々と放流していった。懸命に泳ぐ稚魚たちは今はまだ小さいが、数年後大きくなり、日立の海に定着してくれることを願いつつ放流を行った。

放流後は日頃お世話になっている久慈漁港周辺でごみを拾った。

釣り人が捨てていったであろう釣り糸や仕掛け、冷凍餌を入れたビニール袋などはだいぶ少なくなっていると感じたが、空き缶やたばこの吸い殻などはまだまだ多く、特にフグの死骸が多く目についた。

釣ったら海に戻すという最低限のマナーを守れないようでは、ますます釣り場が減ってしまうことにもなりかねない。

禁止場所に立ち入らない、釣りをしない、ごみは持ち帰る-という当たり前のことを徹底して守っていくことが、次の世代へ貴重な釣り場を残していくことにつながる。(上州屋日立店・根本雅透)