土屋文明と牧野富太郎 植物通じた交流を紹介 28日まで群馬県立文学館で企画展
上毛新聞
2024年3月12日
昨年のNHK連続テレビ小説の題材となった植物学者、牧野富太郎と群馬県ゆかりの歌人、土屋文明のつながりに迫るテーマ展示が8日、群馬県高崎市の県立土屋文明記念文学館で始まった。植物を題材にした文明の短歌を、富太郎の絵と並べて紹介する。28日まで。
文明は生涯に詠んだ短歌の4割が植物を題材にしたとされる。春のアセビを取り上げたものなど、文明直筆の短冊や色紙を四季ごとに展示。それぞれの横に、対応する植物を描いた富太郎の絵をパネルで並べた。
文明が編集発行した歌誌「アララギ」も紹介。富太郎が寄稿した小論や、文明が「牧野先生」の字句を詠み込んだ短歌が掲載され、2人の関係性がうかがい知れる。文明が愛読していた「牧野新日本植物図鑑」や、富太郎から贈られた「四季の花と果実」などの蔵書も並ぶ。
学芸員の片岡美穂さんは「富太郎の絵は文明も見ているはず。文明の視点を追体験できる展示」とする。企画に合わせて公募した、県民が植物を詠んだ短歌も掲示している。
午前9時半~午後5時。火曜休館。入館料200円、高校・大学生100円など。