千波湖周辺整備 健康と観光、魅力アップ 25年秋開業へ サウナ、マルシェ 目玉に 茨城・水戸市
茨城県水戸市の千波湖西側にある黄門像広場周辺地区(同市千波町)で、にぎわい創出拠点が2024年秋着工、25年秋開業を目指して準備が進められている。市は当初、25年3月の開業を見込んでいたが、物価高騰やテナントとの調整でずれ込む。健康増進と観光利用の両立を目指し、サウナやスポーツラウンジ、マルシェ、カフェなどの施設整備が目玉で、市は公園のさらなる魅力向上を図る。
対象地区は、千波公園(約72万平方メートル)のうち、千波湖西側から桜川、県道に囲まれた約1万7千平方メートル。現在は、黄門像をはじめ、既に飲食店や広場、駐車場などがあり、隣のボウリング場跡地(約1万2700平方メートル)では、約200台の駐車場整備が進んでいる。
市は、都市公園で公募した民間事業者が施設整備する「パークPFI」を活用し、予定事業者は大和リース・アダストリアグループ(大和リース水戸支店、アダストリア、横須賀満夫建築設計事務所、いずれも水戸市)に決めた。
市によると、千波湖は桜並木の遊歩道に囲われ、ウオーキングやランニングの市民に親しまれている。サウナやスポーツラウンジはこうした健康志向の需要を満たし、マルシェなどは観光目的での利用も予想され、同グループの提案は「植栽計画や建物の提案は偕楽園からの眺望に配慮がなされ、レストラン、サウナなどは話題性や継続利用が見込め、市民の日常利用と集客が期待できる」と評価された。
パークPFIはレストランなど民間の収益を見込む「公募対象公園施設」と広場や園路などの公共部分の「特定公園施設」に分け、公募対象公園施設で生じた収益を特定公園施設の建設に充て、一体的な整備を図る。今回の計画で、公募対象公園施設は敷地面積5498平方メートル、予定延べ床面積2044平方メートルで、特定公園施設は敷地面積7143平方メートル、予定延べ床面積304平方メートルと、ほぼ施設が新設されることになる。市側の負担は最大1億円と定めている。
市公園緑地課は「偕楽園からの景観にも配慮し、より公園の魅力がアップすることを目指している」と展望している。