《釣り》砂底に潜むヒラメ狙う 茨城・日立沖 中型2キロ、マゴチも

茨城新聞
2024年1月20日

新年を迎え、今年初の魚を釣り上げようと決意した元旦ではあったが、能登半島地震の被害を思うと、初釣りに行く気がうせてしまった。よって今回は昨年末、茨城県日立久慈漁港の釣友丸(若林一船長)よりヒラメを狙った時のリポートをお送りしよう。

当日午前5時半、私を含め乗り込んだのは10人。私は8番目だったが、なんと右舷のトモ(船尾)が空いていたのでゲット。こんな好条件の釣り座はしばらくぶりだ。

港を出て20分ほどで水深30メートルのポイントへ。辺りは真っ暗闇で遠くに日立の街の明かりが美しい。魚群探知機のモニターにヒラメの餌、イワシの群れは見えない。時間を待ってスタート。

マゴチ2匹とヒラメ、仕掛けはチラシ針

ヒラメ釣りは風任せで船を横向きに流し、針にかけたイワシを砂底に潜むヒラメの上をなぞるように通過させて狙う。適度な風はよいが、この日は強過ぎて船が相当速く流される。

釣り人の仕掛けが絡まないよう風上側は60号、風下側は80号の重りを使うよう船長から指示。餌はイワシの他、大きく元気なサバやアジも餌水槽に泳いでいた。大物を狙って大きめのサバを針にかけて沈めた。ここではおよそ1時間、私はさっぱりアタリがなかった。

私と背中合わせの左舷船尾の人が船中唯一、3キロ級を上げた。餌は小さめのイワシ。船は沖の堤防の内側へ大きく移動して風を避ける格好となった。

水深は20メートル、重り60号、このポイントからステイト(重りをつなぐ糸)を30センチにして投入。餌は小さなイワシで親針だけ顎にかけるチラシ針仕掛けにした。

すると落としてすぐにアタリ。ヒラメ釣りにはアタリがあってもヒラメがイワシをのみ込むまで40秒待てという格言「ヒラメ40」がある。顎に親針だけをかけ、孫針をブラブラと漂わせるこの仕掛けの場合はアワセを早め、大きくアワセるとしっかり重みが伝わってきた。しかし上がってきたのはマゴチ。

3年くらい前までは冬にマゴチなど珍事だったが、海水温上昇の影響か昨今は当たり前のように釣れる。仕掛けを変えるとアタリは多くどんどん釣れる。しかしヒラメは1キロ以下のリリースサイズばかり。西風で沖に流され水深が深くなるとともにアタリが少なくなってくるパターン。

しかしそんなタイミングでアタリ。アワセるとさおの手元が曲がるほどの手応え。わくわくして糸を巻き取ると、見えてきたのは中型サイズ約2キロのヒラメ。うれしい1匹で正月料理は決まり。その後もアタリは続いたがリリースサイズ。クーラーにはヒラメ1匹、マゴチ2匹が収まった。(奔流倶楽部渓夢・上谷泰久)