《食いこ》OMI CAFE(茨城県筑西市) 築175年、酒造のメニュー

茨城新聞
2023年11月21日

茨城県筑西市村田の国登録有形文化財「旧尾見家住宅」を改修し、今年6月にオープンした「OMI CAFE」。かやぶき屋根の薬医門をくぐると、見えるのは築175年の日本家屋。カフェは土間部分で、井戸やかまどが残されている。歴史を感じる落ち着いた空間で、ゆったりとした時間を過ごすことができる。

隣接する来福酒造が運営する。「うちがやる以上、〝らしさ〟が必要」と語る藤村俊文社長(52)。お品書きには「酒粕(さけかす)アイス」「甘酒アイスラテ」「日本酒仕込みアイスコーヒー」など酒関連のメニューがずらりと並ぶ。料理に使われる酒粕や日本酒などは全て同社のものだ。

ランチメニューの「酒蔵きまぐれ御飯」が人気。十六穀米または白米と粕汁に、奈良漬ポテトサラダや地元野菜のあえ物などの副菜と、不定期で気まぐれに変わる主菜、選べるドリンクがセットになっている。

人気メニューの「酒蔵きまぐれ御飯」

取材に訪れた日の主菜は「豚肉の梅照り焼き」。調味料として梅酒を使い、さっぱりとした味に仕上げた。粕汁は野菜がたっぷりと入り、優しい味わい。しみじみとしたおいしさで体を温めてくれる。

カフェメニューには前述のアイスやラテ、コーヒーのほか、旧尾見家住宅で使用していた器を使った「尾見ぷりん」や、日本酒製造で酒米を磨く際に出た米粉を使った「酒米米粉のシフォンケーキ(酒粕アイス添え)」など、ここでしか味わえないスイーツがそろう。もちろん日本酒も取り扱う。

国登録有形文化財の「旧尾見家住宅」

同社は1716年に創業。近江商人が江戸幕府に酒を献上するためにこの地にたどり着いた際、地主だった尾見家から土地を分けてもらい、酒造りが始まった。尾見家には跡継ぎがなく、同社が後世に残そうと主屋をカフェに改修した。300年の時を超えた地域への恩返し。「女子会や憩いの場として、地域の人たちに活用してもらいたい」と話す。

メニューはスタッフがアイデアを持ち寄って決めており、不定期に変わる。目当てのメニューがある場合は、電話で問い合わせるか同店の公式LINE(ライン)から予約しておくと確実だ。

■お出かけ情報
OMI CAFE
▽筑西市村田1624
▽営業時間は午前11時半~ 午後3時半ラストオーダー
▽水曜定休、不定休あり
▽(電)0296(45)5495(来福酒 造売店)。予約は公式LINEから。

OMI CAFE