《食いこ》ショコラトリー ダルメゾン(茨城・水戸市) 輝くチョコ、目標は世界一

茨城新聞
2023年10月29日

ガラスケースの中でチョコレートが整然と並び、色とりどりに輝いている「ショコラトリー ダルメゾン」(茨城県水戸市)。人気商品は約30種類に上るボンボンショコラ。イチゴやお茶のほか、八溝わさびや高萩産ホオズキ、地酒など、茨城県産品を積極的に取り入れ、食材のおいしさや作り手の思いなど、地域の魅力を凝縮させる。

今月初め、カカオの香り漂う工房で、フランスの伝統的なチョコレート、マンディアンの仕込みが行われていた。指揮を執るのは、オーナーショコラティエの達(だる)聖(さとし)さん(33)。理想の口溶けに仕上げるため、何度も光にかざしてチョコレートの状態を確認する。「よし、いける」。手早く3センチほどに絞り出し、その上に従業員らがアーモンドやピスタチオを手早く載せていく。「作業自体はシンプル。そこに行くまでが大変」。丹念に調整されたチョコレートは5分ほどで冷え固まり、ビロードのようなきめ細かい表面に変化した。

達さんは高萩市出身。都内の洋菓子店で修業を積み、2019年に同店を構えた。ケーキなど生菓子を主力に販売していたが、チョコレートの魅力や可能性に触れ、ショコラトリーに転換。妻の求美さん(32)と共に、こだわりの一粒を販売してきた。

奥久慈の卵など素材にこだわったドーナツも手がける達聖さん

生活の全てがチョコレート中心。「人間としての生活をやめて、ショコラティエの生き方をしている」と笑うほどストイックだ。口に入れた時の味の変化や香り、チョコレートに含まれる油分や年ごとのぶれなど、さまざまな情報を敏感に感じ取るため、魚介やみそ汁など味の濃い食品は口にしない。「知れば知るほど奥が深い。とりつかれてしまった」と達さん。

約30種類のカラフルなチョコレートが店頭に並ぶ

同店の看板商品「アメール」は、ボンボンショコラの中でも県産の食材を使わずに茨城を表現した。豊かな大地をイメージし、フローラルな香りが特徴のチョコレートを主にブレンド。「(口に入れた時に)木々や花のイメージが浮かんで、実際に赴いたような気分になれば」と話す。

目標は世界一だ。「自分の店のチョコレートが評価されれば、使われた素材にも注目が集まる。産地である茨城にもスポットが当たるはず」と意気込む。

■お出かけ情報
ショコラトリー ダルメゾン
▽水戸市泉町2の1の46
▽営業時間は午前10時から午後5時
▽月・火曜定休、他に不定休あり
▽(電)029(232)3838