上海便3年半ぶり再開 茨城空港 観光客、出迎えに笑顔
茨城空港(小美玉市与沢)の国際線定期便で、中国の格安航空会社(LCC)春秋航空が運航する上海便が4日、3年半ぶりに再開した。定期便再開で、コロナ禍で落ち込んだ茨城県観光の需要回復やビジネス交流の促進が期待される。
空港ロビーでは中国語で「ようこそ茨城へ」と書いた横断幕を掲げ、県の鈴木信昭空港対策監ら約20人が出迎え。荷物を持って現れた観光客らは、歓迎に驚いた表情を見せた後、贈られた小美玉市の特産品など記念品を笑顔で受け取った。
初来日という上海の大学院生、杜崇博さん(25)は7泊8日で東京や大阪を観光する予定。「茨城便は成田便と比べて(旅費が)安いし、雰囲気も良い。帰国したら友人に勧めたい」と話した。一時帰国で利用した東京都足立区、会社員、平原賢太さん(34)は「再開でルートの選択肢が広がった。頻繁に利用したい」と語った。
上海便運航は2020年2月7日以来で、日、月、木、金曜に週4往復する。県によると、茨城着の第1便は座席数186に100人以上が搭乗し、主に個人観光客が占めた。折り返しの便は在日中国人の利用などでほぼ満席となった。
鈴木空港対策監は「搭乗者が往復ともに100人を超え、上々の再開ができた。この状況を続けて両地域の交流を活発化させていきたい」と述べた。
県は再開を受け、県上海事務所を通じて茨城県の知名度向上を図り、個人観光客の誘客を推進。茨城県観光地の情報発信やプロモーションも行い、中国当局が現在認めていない団体旅行客の解禁後の取り込みを目指す。
茨城空港の国際線定期便は3月に台湾・台北便が再開。一方、春秋航空が運航する西安便は、年内までの運休が既に決まっている。