高崎産「からっ風バナナ」が好調 販路拡大

上毛新聞
2023年8月7日

障害者の就労支援で群馬県高崎市楽間町の多機能型事業所が生産している「群馬のからっ風バナナ」が販路を拡大している。生産開始から1年3カ月がたち、これまでに地元のアンテナショップやスーパーなどに約3万本を出荷した。利用者とスタッフが手塩にかけた高崎産バナナが地域に根付き始めている。

多機能型事業所「ワークランドらくま」は昨年5月、同市浜川町のビニールハウスでバナナ栽培に乗り出した。住宅街にあるハウスには大きな葉を広げた200株が生い茂り、南国のような雰囲気が漂う。

生産するのは、もっちりとした食感で糖度が高い品種「グロスミッシェル」(1本250~540円)。高崎オーパ1階のアンテナショップやJAファーマーズ野田宿(吉岡町)で取り扱うほか、市のふるさと納税返礼品にもなっている。首都圏など県外にも直送。ビニールハウス前のキッチンカーでは、バナナジュースや近隣レストランとコラボした「バナナバスクチーズケーキ」も販売する。

生産や販売の中心を担うのは同事業所の利用者。就労支援や自立訓練の一環として、草むしりや収穫といったハウス内での仕事に加え、袋詰め作業やキッチンカーでの販売など、個々の性格や体調に合わせて仕事に取り組んでいる。

袋のシール貼りや接客に携わる南雲愛優美さん(18)は「いろいろな人と話すのが楽しい」と笑顔。車椅子に乗って花摘みや水やり、袋詰めなどに従事する女性(30)は、「バナナは甘くて食べ応え抜群」と太鼓判を押す。

同事業所エリアマネージャーの鈴木速人さん(46)によると、単価が高いため目標とする障害者の賃金アップも実現できているという。「おかげさまで予想以上に生産できている。群馬を代表する商品を目指したい」と力を込める。

8月中旬からJR高崎駅内の土産物店「群馬いろは」にも納品予定で、高山村での販売も計画中。バナナチップスなど新商品の開発にも力を注ぐ。キッチンカーでの販売は毎日午前9時~午後3時。

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