《キャンプを楽しもう》大洗キャンプ場(茨城・大洗町) 敷地広々、自由に設営 松林でハンモック泊も

茨城新聞
2023年7月20日

茨城県の東水戸道路水戸大洗インターチェンジを降り、南東に車で約10分。松林が茂る「大洗キャンプ場」に着いた。

約2・3ヘクタールの広々とした敷地には、最大約200張りのテントを建てることができる。敷地内は全て区画がない「フリーサイト」で、自由なサイトアレンジが可能。例えば友人や数家族など大人数で楽しむグループキャンプでは、真ん中にリビングとしてタープを張り、それを囲むように寝室であるテントを張る-ということもできる。マネジャーの塩田昌和さん(41)は「どう使っても良いのが魅力」と話す。

敷地内は全てフリーサイト。自由に設営できる

場内の美しい松林は、森林浴の森日本百選や日本の名松百選に選ばれている。日陰が多いため、春や秋はタープいらず。夏も比較的涼しく過ごせる。立木にハンモックを取り付け、寝泊まりする「ハンモック泊」も可能。テント泊に比べ少ない荷物で済むため、バイクや自転車による「キャンプツーリング」にもお薦めだ。

大洗海岸から車で5分、徒歩20分ほどの立地。市場のほか、すぐ近くにスーパーマーケットやコンビニがあり、食材を調達できる。ホームセンターもそばにあるため、キャンプ場に着いてから忘れ物に気付いても安心。「自然を感じつつ、文明の恩恵も感じられる」とアピールする。

数人で料理を楽しんでいた神栖市、会社員、相沢一郎さん(49)は「自由にテントが張れて、車を近くに止められて良い。おいしい魚介類をすぐ近くで買えて便利」と話す。

入り口付近には創立者・田中光顕伯爵の像が立つ=大洗町磯浜町

管理棟内の売店では、キャンプ場のロゴマークが入ったコースターやカードスタンド、まな板などのオリジナルグッズが並ぶ。アーティストのチノサーフアートさんが場内看板に描いた作品のステッカーも販売中。どちらもお土産などに人気だ。5月にはトイレやお湯の出る洗い場、ペット用の足洗い場を新設するなど、より快適になった。

長期にわたりフリーサイトの予約システムがなく、利用は先着順だった。しかし昨年4月から、運営体制が変わったことや近隣住民への配慮のために事前予約制となった。空きがあれば予約なしでも利用可能。混雑状況はホームページで確認できる。(第3土曜日掲載)

■インフォメーション

住所…茨城県大洗町磯浜町8231の4/利用料…テントサイトは大人1200円、5~15歳600円。いずれも繁忙期はプラス600円。デイキャンプは大人600円、5~15歳300円。いずれも繁忙期はプラス300円。ペット入場料500円。/営業時間…午前9時~午後5時。定休日なし。予約はホームページ(oarai-camp.jp/)から。問い合わせは(電)029(212)3121。

《プラスオン》幕末、明治の書画を展示

キャンプ場と同じ敷地にある「大洗町幕末と明治の博物館」。幕末から明治期の志士の書画などを展示している。田中光顕伯爵が1929年に創立し、90年以上の歴史を誇る。館内には、1860年3月3日に大老井伊直弼が桜田門外で襲撃された場面を再現したジオラマや、水戸藩第9代藩主徳川斉昭公の書などを数多く収蔵する。

キャンプ場利用者は、申告すれば高校生以上100円、小・中学生50円の割引になる。同館担当者は「涼みながら、近代日本の夜明けを気軽に学んでもらえたら」と呼びかけた。

休館日は水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始。午前9時から、最終入館午後4時30分。問い合わせは同館(電)029(267)2276。