<栃木・県央グルメ>下野屋(上三川)寄せ豆腐「豆の奏」 とろける食感と上品な豆のうまみ

下野新聞
2023年7月9日

濃厚な豆乳に浮かぶ寄せ豆腐をすくって食べると、上品な豆のうまみと滑らかな舌触りが後を引く。

寄せ豆腐「豆の奏」(260円)が、「下野屋」3代目店主柳田稔之さん(52)の一押しメニュー。豆乳ににがりを混ぜて固め、そのまま容器に盛られている。柔らかくとろける食感が特長だ。

柳田さんは高校卒業後、4年間埼玉県の豆腐屋で修業を積み、23歳から「下野屋」で豆腐を作り始めた。

豆腐の原料である大豆の「豆」と気持ちを込める意味の「心」を組み合わせて「豆心(まめしん)」というブランドも設立。約75年前の創業当時は柳田さんの祖父が油揚げをメインに商売し、残りの1割で豆腐を作っていたが、現在は1日2千丁を作る豆腐が押しも押されもせぬ主力商品だ。

天気や季節によって抽出できる豆乳の質が変わるため、豆腐作りには、にがりの分量や豆乳とにがりを混ぜる速さなどの微調整が欠かせない。柳田さんは約30年間、そうして毎日豆腐を作り続けている。

「顔が見える商売がしたい。人情味あふれる町の豆腐屋でありたい」と柳田さん。移動販売も行っており、豆腐1丁から届けてくれるという。自家製の豆乳を使った「豆富レアチーズ」(300円)や「なまゆば」(470円)なども絶品の味だ。

▼メモ 栃木県上三川町上三川4877。平日午前10時~午後6時半。土曜、祝日午前11時~午後6時。日曜午前10時~午後4時。(問)0285・56・2086。

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