《食いこ》ナッシュビルカフェ(茨城・常陸太田市) 米南部の趣、バーガー堪能
茨城県常陸太田市のカフェ「ナッシュビルカフェ」の店名に用いるナッシュビルは、米国南部テネシー州の州都。言わずと知れたカントリーミュージックの聖地だ。木を基調にした店内には、星条旗や白頭ワシのぬいぐるみなどのグッズが飾られ、アコースティックギターのBGMがムードを演出している。「アメリカ南部ののどかな田舎の雰囲気を感じながら、自慢のハンバーガーを味わってほしい」。テンガロンハット姿のオーナーの京免(きょうめん)義典さん(58)は、笑顔で呼びかける。
カフェのコンセプトは、1970年代後半にはやった米国映画「トランザム7000」がベースになっている。当時中学生だった京免さんは、米国のトラック野郎が繰り広げる重厚なドラマに魅了された。還暦近い今も、劇中に流れていたカントリーミュージックを愛聴。逆輸入のピックアップトラックを日常の足にしている。
メニューの中心は、アメリカンフードの象徴ともいえるハンバーガー。合いびき肉を使ったパテは肉汁たっぷり。店名を冠したナッシュビルハンバーガーは、バンズからはみ出るベーコンにチーズ、レタスやトマトとシンプルながら、食べ応えは満点だ。
ライス付きの鉄板ハンバーグも人気。ナッシュビルハンバーグは、160グラムと350グラムの2種類があり、後者は、食いしん坊の胃袋を十分満たしてくれる。トッピングのベーコン、チーズに、濃厚なデミグラスソースが見事に調和。レンコン、ニンジン、ブロッコリー、インゲンなどの付け合わせも充実し、多彩な食感を楽しむことができる。ほかに、日替わりワンプレートも多くの女性から支持を集めている。
茨城県日立市出身の京免さんは、会社勤めを経て、2002年、常陸太田市に本社を置くバス会社を設立。以来、観光バス事業を主軸に業績を高めていった。だが、コロナ禍を機に業態の見直しを迫られ、新規事業として、同カフェをはじめ、グランピングやサウナを備えたレジャー施設を今年4月にオープンさせた。
「10代に憧れた映画の世界を、経営する飲食店で表現できてうれしい。関連の施設にも積極的に人を呼び込み、地域活性化につなげたい」と声を弾ませた。
■お出かけ情報
ナッシュビルカフェ
▽茨城県常陸太田市大里町3911の1
▽営業時間は、午前11~午後3時、同5~8時(同8時以降は要問い合わせ)
▽休業日は木曜
▽(電)0294(32)7111