《旬のいちおし》茨城・坂東 坂東夏ネギ 品質保持へ冷蔵保管

茨城新聞
2023年6月26日

やわらかい食感の夏ネギが収穫の最盛期を迎えた。茨城県農業経営士協会副会長の小林敏郎さん(56)=同県坂東市=は約40年間ネギ栽培に取り組む。「収穫までの丁寧な観察ときめ細やかな気配り」を大事にする。

小林さんは長男の大貴さん(28)、次男の豊さん(25)ら家族と技能実習生計12人で力を合わせる。年間通じネギを生産するが、最も気を遣うのは夏のシーズンという。「ネギは暑さに弱い。特に7、8月は気温との勝負」と小林さん。

夏場でも高い品質を保持しようと約5年前、業務用の冷蔵庫を導入。ネギが傷まないよう、涼しい時間帯を見計らって専用の機械で収穫。箱詰め作業が終わったら、素早く、室温4度に設定した冷蔵庫に保管するのがこだわりだ。

市内に3カ所点在する計10ヘクタールの畑は、土の硬さや水はけなど状態が異なる。そのため経験と技術で土を改良。小林さんは「納得いくネギができた時は一番の喜び」と笑みを浮かべる。

お勧めの食べ方は甘さが味わえる焼きネギ。「焦げ目を少しつけしょうゆと七味唐辛子をかける。おつまみにいいですよ」