馬を身近に感じて　茨城・常陸太田市の乗馬クラブ代表　清水健介さん「ウナパルテ」

東京都出身で埼玉県内の乗馬クラブで働いていたが、結婚を機に妻が住む茨城県常陸太田市民になった清水健介さん(38)。「ご飯も野菜も空気もおいしい。海があって山があって、生きていく場所として選んだ。仕事は二の次だった」と振り返る。会社員の道も考えたが、「長く関わってきた馬との付き合いを生かすべき」との周囲の勧めもあって乗馬クラブの経営に挑戦することを決め、4年前にオープンした。

2歳の頃に動物園で蒙古野馬をジーッと見つめていたことがあったが、夢中だったのはサッカー。中学時代に牧場で手伝いをした時に初めて馬に乗り、「自分の指示で動いてくれる。風を感じるスピードにも感動した」ととりこになった。大学卒業後に馬の調教やインストラクターの勉強のためにスペインに留学。帰国後も宮城や神奈川、埼玉県などの乗馬施設に勤めた。

ウナパルテの施設は里山の麓の杉林や竹やぶを切り開いて整備した。地域の人たちの力を借りて平らな場所を造り、1年をかけて運動場や放牧場などを整備。営業しながらクラブハウスなどを建てた。地盤が固く、夏は気温の割に涼しく、雪があまり降らない、馬にとっても過ごしやすい環境という。

「馬の気持ちを感じながら乗る」がレッスンの信条。「興味がなくても一生に1回くらい乗ってみて、馬を身近に感じてもらえたらうれしい」。小規模だけどクオリティーが高い施設を目指す。

【メモ】常陸太田市高貫町。予約制のマンツーマンレッスン。営業時間は午前9時～午後4時。火曜定休。(電)080(6544)5084。