《いばらき御朱印めぐり》水戸 水戸八幡宮 季節限定、アジサイ柄

茨城新聞
2023年5月14日

■境内には在来含む60種

年が明けると1月4日に「湯清め神事」、成人の日には全国でも珍しい「はねつき神事・破魔弓神事」などでにぎわう水戸八幡宮(田所清教(きよのり)宮司)。5月下旬から7月下旬にかけて、日本在来の山アジサイが楽しめる花の神社でもある。市街地にあって、豊富な自然を感じることもできる場だ。

同神社の創建は安土桃山時代の文禄元(1592)年。県北の雄、佐竹義宣(よしのぶ)が、居城を常陸太田から水戸に移した際に八幡大神を水戸城に祭ったのが始まり。源氏の佐竹氏が氏神として誉田別尊(ほんだわけのみこと)(応神天皇)と息長足日売尊(おきながたらしひめのみこと)(神功皇后)、姫大神(ひめのおおかみ)の3柱を祭った。水戸徳川家の所領となった後、茨城県城里町那珂西に移されたが、宝永6(1709)年、現在地に遷座した。

御朱印は、水戸八幡宮と境内社の天満天神宮がある。アジサイの時季には花びらの図柄をあしらった季節限定版を用意するほか、新年版、春季例大祭版もある。

通常版とアジサイの季節限定版(右の㊤㊦)など水戸八幡宮の御朱印

杉木立の木陰を生かして整備しているアジサイ園は「八幡の杜(もり) 山あじさいの小道」と名付けている。近隣の保和苑などで行われている「水戸のあじさいまつり」を盛り上げようと、アジサイ研究家の助言を受けながら整備した。今年で49回目を迎える同まつり。神社のアジサイも40年前後の歴史があるようだ。古くから自生している野生種の山アジサイは、小さめの花房でかわいらしい雰囲気がある。花笠、白富士、水無月、玉あじさいという品種ほか西洋アジサイも含めて60種5000株以上が楽しめる。

境内には見どころが多い。慶長3(1598)年に建立された本殿は、国指定重要文化財で、和様に唐様を交えた造り。建立400年になる1998年に建立当時の色、模様、金箔(きんぱく)を施し、まばゆいばかりの姿に復元した。

本殿脇の「おはつきイチョウ(御葉付公孫樹)」は国指定天然記念物。高さが42メートルあり「日本一」をうたっている。樹齢800年。「おはつき」とは、まれに葉の先に実を結ぶイチョウの変種。

境内北側には、那珂川方向が見渡せる「烈公御涼所」がある。9代水戸藩主・徳川斉昭が涼んだ場所で樹齢300年のモミジやケヤキの木陰から、八溝山地や日光、那須の連山も遠望できる。

総務部長で権禰宜(ごんねぎ)の佐藤正毅(まさき)さんは「御利益を求めてお参りできるほか、当神社は国指定の神木や文化財など豊富。アジサイは6月中旬が最盛期。どうぞ見学してもらいたい」と話している。

■メモ
アクセス…常磐自動車道水戸ICから車で20分。水戸駅から茨城大前行きバスで栄町2丁目下車。
住所…水戸市八幡町8の54
電話…029(221)5327
受付時間…午前8時半~午後5時
御朱印…「水戸八幡宮」と境内社の「天満天神宮」。アジサイと新年、春季例大祭の季節限定がある。各300円。本殿を刺しゅうしたオリジナル御朱印帳1500円も扱う。